「仕方ない」運転手不足で札幌圏のバス減便 タクシーも迎車料金加算 時間指定800円導入も
北海道最大手のバス会社「北海道中央バス」は、札幌圏を中心に1日から過去最大規模の路線短縮や減便を始めました。
利用者からはあきらめの声が聞かれました。
札幌市の職員が貼り直しているのは、新しいバス停留所の案内図。
変更となった路線は修正テープで消していきます。
北海道中央バスでは1日から、過去最大規模となる札幌圏の路線バス644便で路線の廃止や短縮・減便を実施します。
その訳はー
(札幌市の担当者)「本日から中央バスダイヤ改正のため修正しています。バスの運転手さんの人数が不足しているだとか、そういうことは聞いております」
道内のバス運転手の数はおよそ5500人と、30年前と比べておよそ3割減っています。
運転手不足が深刻化する中、中央バスが乗り出したのが過去最大規模の路線見直しです。
効率的な運行のための秘策が、郊外とJR札幌駅を結ぶ直通バスの短縮です。
札幌市清田区の「清田団地」は短縮となった停留所のひとつです。
バスの終点は福住駅となっていました。
30日まではこの停留所から札幌駅前までの直通のバスがありましたが…
1日からは終点が地下鉄福住駅と、路線が短縮されました。
札幌中心部に向かうためには、バスを降りてからさらに地下鉄に乗り換えなくてはなりません。
直行便がなくなり負担が増えることに、利用者からはあきらめの声が上がっていました。
(利用者)「仕方ないですね、地下鉄で行くしかない、福住から。すぐマチまで行けたら料金も便利さもよかったけど」
バスをめぐる変化はほかにもー
北海道中央バスは高速バスの主要25路線を最大片道500円値上げします。
新千歳空港行のバスは200円値上がりし、JRの快速エアポートの自由席運賃よりも高くなります。
(観光客)「JRの方がお得ですよね。札幌に住んでいたらJRにしたと思います」
値上げの波はタクシーにも。
札幌市豊平区のタクシー会社では、指定の場所まで客を迎えに行った場合「迎車料金」として200円加算することになりました。
タクシーのメーターを見てみるとー
(長南記者)「運賃のほかに200円が加算されています」
こちらも運転手不足が値上げの理由です。
(つばめ自動車 野口穣営業課長)「運転手の待遇改善、売り上げアップさせてあげたい。運転手にもメリットがあるかたちで200円いただければと思います」
この会社では20年前に比べて運転手がおよそ6割にー
少しでも運転手の給料を上げ、担い手不足を解消したいと、迎車料金の導入に踏み切りました。
業界団体によりますと、1日から迎車料金を導入したのは、この会社を含む道内の30社。
さらに、800円の「時間指定料金」を導入した会社も13社あり、両方の料金を導入したタクシーを時間を指定して呼んだ場合、運賃のほかに1000円が加算されることになります。
利用者に負担がのしかかる公共交通の見直しや料金の値上げ。
運転手不足の解消に向けた対応策も急務となっています。