北海道・釧路地裁で2024年4月10日、過失運転致死傷の罪に問われている熊谷勉被告(78)の裁判が開かれました。
釧路地裁は、「結果は重大だが所有する車をすべて処分し、今後は運転しないと誓っている」として禁錮1年8か月執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。

熊谷被告は2023年10月、妻の通院のため訪れた釧路市の病院の駐車場で玄関から出て来た親子をはねて転倒させるなど女の子をあわせて2度ひいて死亡させたとされています。

検察によりますと、玄関前で妻と運転を代わった熊谷被告は、駐車場がある右側に気をとられ左側の玄関から出てきた親子の発見が遅れた上、アクセルとブレーキを踏み間違えてはねました。

さらに、その勢いで前方の車に衝突したことに気が動転し車をバックさせてもう一度女の子をひいたということです。

これまでの裁判で熊谷被告は起訴内容を認めた上で、普段から車をバックさせる際、壁にぶつけるなど運転技術の衰えを感じ、事故の1年程前から免許の返納を考えていたと語っていました。

一瞬で女の子を奪われた遺族は「事故直後に熊谷被告から、かけられた言葉は「大丈夫？」だけで憤りを感じた。いまも眠れない日が続いている」などとして可能な限り厳重な処罰を訴えていました。

検察側は運転に不安を感じ、免許の返納を考えていたのに、車があると便利という身勝手な理由で重大な事故を起こしたとして、禁錮1年8か月を求刑。

弁護側は事故後に車を処分して運転をしないことを誓い、反省しているなどとして執行猶予を求め熊谷被告は「取り返しのつかない事故を起こし若い命を絶ってしまい申し訳ありません。許して欲しいと思っています」と語っていました。

10日の裁判で釧路地裁は、「結果は重大だが所有する車をすべて処分し、今後は運転しないと誓っている」として禁錮1年8か月執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。