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どさんこ町田瑠唯&東藤なな子!“江戸のカタキをパリで”いまなお旭川実家に残る「練習の跡」

2024年7月13日 8:00
どさんこ町田瑠唯&東藤なな子!“江戸のカタキをパリで”いまなお旭川実家に残る「練習の跡」

7月26日に開幕する真夏の祭典・パリオリンピック。

どさんこ選手12人が様々な競技で出場内定しています。

女子バスケットボールでは旭川出身・町田瑠唯選手と札幌出身・東藤なな子選手が、銀メダルの東京大会に続いて代表メンバーに選出。

パリで目指すのはもちろん、もうひとつ上の輝きです。

3年前の「TOKYO」。

日本・女子バスケットボール、歴史の扉を開いた銀メダル。

チームの絶対的な司令塔は旭川出身・町田瑠唯選手です。

誰もが認める体の強さ、積極的にシュートも狙う札幌出身・東藤なな子選手。

バスケットの名門・札幌山の手高校出身のどさんこ2人が、パリオリンピックも代表メンバーに選出されました。

(町田瑠唯選手)「銀メダルを獲ったことよりも、決勝で負けたときの悔しさの方が強いので」

6月、札幌で行われたオーストラリアとの強化試合。

町田選手も代表メンバー入りに向けて最終選考の正念場。

地元で迎えた大一番の試合で“らしさ”を連発します。

真骨頂、針の穴に糸を通すようなパスに、コートの隅々まで見通す広い視野でロングパスを決めます。

ボールが渡るやいなや、次にパスする味方選手を一瞬で見極めるボール回しまで。

(恩塚ヘッドコーチ)「町田選手はゲームメイク、パスワークはワールドクラス」

恩塚ヘッドコーチも絶対の信頼を寄せます。

両親が語る町田選手の幼少期

世界を唸らせるパスワーク。

その礎を築いたのは…

町田選手の旭川市の実家です。

いまなお、そのルーツが当時のまま残っていました。

(母・ルミさん)「壁にガムテープを貼って、3か所。そこにパスを出す練習をしていた。うちの子たちみんな家の中で練習するんですよ」

旭川で小学2年の時にバスケットを始めた町田選手。

世界レベルのドリブルも、自宅の床で日々練習を繰り返したのです。

(父・茂典さん)「ノールックパスの練習をしたりとか、パス練習もシュートもドリブルも、あらゆるところを使って、あらゆるところが傷んでいる」

札幌での強化試合。

久しぶりに地元・北海道で見る試合に、両親も期待を隠せません。

(父・茂典さん)「いい強化試合になれば、自信にもなるし」

(母・ルミさん)「チームが勝てるようなプレーを期待しています」

東京大会以降、アメリカ・女子プロリーグ挑戦やけがもあって、日本代表から離れていましたが、“世界のマチダ”は持ち味のパスワークをいかんなく発揮!

空いたスペースに切り込むと、旭川時代から磨いてきた、代名詞の「ノールックパス」。

「笑顔」のルーツ

町田選手のもう一つの特徴が「笑顔」です。

(町田瑠唯選手)「最高の笑顔でって言葉です」

「高校3冠」を達成した当時から言い続けてきた「笑顔」。

札幌山の手高校は、町田選手のもう一つの欠かせないルーツです。

(町田瑠唯選手)「北海道で(強化試合を)やれるのはすごく嬉しいが、その分私を知っている人も多いので」

(記者)「緊張すると思う人がいる?」

(町田瑠唯選手)「いますね、上島さんかな(笑)」

札幌山の手高校の恩師・上島正光コーチ。

いまなお現役。

その指導哲学は「褒められて育った人間は、窮地に弱い」。

(上島正光コーチ)「急がない!わーっとやるからミスになるの!」

札幌での強化試合にも、客席の最前列には上島さんの姿がありました。

(上島正光コーチ)「ディフェンス頑張って、相手にミスを与えて(ボールを)奪って、走るバスケットにつなげるというのがありますからね」

上島コーチに繰り返し教わった「ディフェンス」。

恩師の目の前で見せる町田選手の粘り強さ。

強みはディフェンス「チームを鼓舞できる存在に」

この精神は、もうひとりの「山の手戦士」にもしっかりと受け継がれていました。

(実況)「東藤のディフェンス!」

(解説)「東藤選手がステファニー選手のマークマンに対してよれる、ディフェンス力。すばらしい」

町田選手の7学年後輩の東藤選手も、上島コーチのディフェンスの教えが心と身体に染み込んでいます。

(東藤なな子選手)「上島さんから教わったことのひとつで、シュートには波はあるけど、ディフェンスには波がないというふうに言われて、そこからディフェンスが価値あるものになって、ディフェンスはさぼらないというのは、自分のモットーでもあるし強み」

6月に発表されたパリ五輪代表メンバー12人の中には2人の名前がありました。

体格で劣る日本が世界で戦うために掲げる「走るバスケット」の中心に、町田・東藤のどさんこがいることは間違いありません。

(東藤なな子選手)「自分の強みはドライブとディフェンスなので、前面に出して、そういうところでエネルギッシュにプレーして、チームを鼓舞できるような存在になっていきたい」

コートではスピード感いっぱいの町田選手ですが、パリへの思いを聞かれると一転、ゆっくり言葉を選びながら…

(町田瑠唯選手)「えー…なんだろう(笑)オリンピックとはなんだろうな…もう夢じゃないしな…まだひとつ獲れていないものがある大会だと思うので、それを獲りに行くために全力で頑張りたいと思います」

「江戸のカタキをパリで討つ」。

旭川出身・町田瑠唯、札幌出身・東藤なな子、狙うは一番輝く色のメダルです。