【県予算③】県の重要課題「地域医療の危機」 経営難の病院などに約28億円 《新潟》
2月12日、県の新年度予算案が発表されました。一般会計の総額は1兆2635億円です。長引く物価高への支援のほか、6つの重要課題が掲げられています。そのうちの1つ「地域医療」について、経営難の病院などに約28億円の支援が盛り込まれています。
去年夏、緊急で知事を訪ねた6人の市長。
〈糸魚川市 米田徹市長〉
「覚悟を持った緊急的な財政支援等を講じていただけるよう花角知事に要望します」
6市の医療を支えるJA新潟厚生連の病院が経営難に陥ったため、支援を求めました。人口減少に伴う患者の減少などを背景に厚生連は去年夏、60億円以上の赤字を見込むと公表。
〈JA新潟厚生連 塚田芳久 代表理事理事長〉
「地域の医療は非常に難しく経営的には非常に難しい」
〈花角知事〉
「安心して医療が受けられる県内の地域医療提供体制を一緒に目指してまいりたい」
地域医療の存続のため、県は厚生連の病院などへの緊急支援として、27億8700万円の予算を組み込みました。一方で、病院の経営が厳しい状況は変わらないため、県は医療の再編を進めています。
「交通空白地」の解消を目指す事業も始まります。新潟市南区は市内で唯一鉄道が通っていない地域。その南区で去年から始まったのが、一般のドライバーが自家用車で客を運ぶ「ライドシェア」です。駅が遠くて利用しづらい、人手不足でタクシーが足りないといった地域の交通手段を確保します。ライドシェアの導入に取り組む交通会社や市町村などへの支援として、県は新たに1000万円を計上しました。
さらに、鉄道利用の活性化にも予算を投じます。新潟駅と上越地域を結ぶ特急「しらゆき」。上越妙高駅で北陸新幹線と接続するため県外への移動にも重要な路線ですが、利用客の減少で3年前から減便に。そこで県は運賃の割引きによる利用促進を図ります。事前予約で3割引となる「しらゆき」は県の新規事業による割引きで、さらに低価格へ。
県は関連費用3300万円を予算に盛り込み、新年度中に割引きの運用を目指します。