収穫前まで“全自動”のレタスハウスが誕生 年間生産量は約800万株 桁違いな栽培ハウスの内部は 《新潟》
リーフレタスの生産量は年間約800万株。桁違いな栽培ハウスが新潟市西蒲区に誕生しました。収穫の手前まではすべて自動で栽培されるというその内部を取材してきました。
どこまでも真っ白な建物。その先にあったのは鮮やかなリーフレタス。ここは新潟市西蒲区に誕生した「水耕葉物栽培ハウス」です。11月14日、竣工式が開かれ、関係者に内部がお披露目されました。
〈エンカレッジファーミング 近藤史章 栽培責任者〉
「1日約2万8000株収穫をしてハウス内このあとレタスで埋まりますが全部埋まると約80万株ほどハウス内にレタスが生育するというような状況になります」
2ヘクタールの広さで、収穫は1日2万8000株。毎日種まきが行われ、1年中休みなく出荷されます。
(リポート)
「こちらのハウスでは奥で自動で種まきが行われてから、 レタスの成長とともに30日間 かけて160メートルをゆっくりと自動で移動していくということです。最後ゴールにたどり着いたところで、ようやく人の手で収穫されるということです」
国や県、新潟市の支援を受け、約30億円をかけて整備された施設。特徴は大きく3つあります。
1つ目は「ガター」と呼ばれる特殊な栽培レーンです。このレーンが種まきの場所から収穫場所まで自動で移動します。
2つ目はLEDライト。日照不足を補い、レタスの成育に適したピンク色の光となっています。
3つ目は空調システムです。栽培レーンの下には大きなダクトが張り巡らされ、冷暖房に加えて、湿度や二酸化炭素の濃度まで調整します。
〈エンカレッジファーミング 近藤敏雄 社長〉
「日本全国、人手不足(の課題)を皆さん抱えていると思うが、 ここのハウスでは人手の問題がだいぶ解消できるようになっていて、農業でも人手のかからない施設を作りたいと思い建設した」
実は、この会社は7年前からすでにミニトマトの巨大な栽培施設を手掛けていました。
これは世界屈指の農業大国オランダの最先端の技術を取り入れたもので、効率的に大規模に栽培できます。
従来の栽培と比べて農家の負担を省くことができますが、収穫のほか、余計な花や葉を摘んだり伸びた茎を固定したりするなどの作業があり、60人ほどの人が働いています。
新たなレタスハウスもオランダ式で、国内でもすでに取り入れている所もあります。
収穫の手前までは全て自動で、人の手がかからないため、人手はトマトハウスの3分の1の20人で済むといいます。
〈エンカレッジファーミング 近藤敏雄 社長〉
「1日2万8000株が出荷されていくので、少しは(食料確保に)貢献できると思う。通年、安定した量が生産出来てお客様にも安定的に供給できる」
世界では食料安全保障への関心が高まっています。国内では人口が減少する中、新潟で人手をかけないで収穫できる未来の農業として大きな期待が集まっています。