【二刀流】大工×ブルースシンガーとして活躍 モットーは「何事にも楽しむ心を忘れない」 岩手・八幡平市の男性
大谷選手のように「二刀流」で頑張る人たちを紹介するシリーズです。今回は、「大工」として働きながら「ブルースシンガー」として地域を盛り上げる八幡平市の男性です。
岩手県八幡平市出身の大工、山本司さん。新築やリフォームなどの住宅工事を請け負う一人親方です。気難しい職人さんかと思いきや。
山本さん「憧れるのをやめましょう!」
茶目っ気たっぷりの人柄。今回の二刀流の主人公です。山本さん「最初から作るのが好き。家作るのもそうですけど…なんだったら車も作りたいし。(車内の工具入れ)こういうのとか。みんなから暇だねって言われるんですけど」
気になるもう一つの顔、それは?
山本さん「歌作るとか…」
ミュージシャン、山本司。
魅力は、しゃがれた低音ボイスと迫力ある演奏スタイル。長年、岩手の音楽シーンを盛り上げてきました。
大工とミュージシャンの二刀流、山本さん流の「モットー」がありました。
ここは山本さんが働いている盛岡市内の現場。築50年が経過した母屋のリフォーム工事です。
山本さん
「新築って何もないのに作るんで、それはそれでいいんですけど、リフォームってもともとあるものに合わせて全然違うものを作るっていう。完成を見ると、その変わりように驚く。それが面白い」
現在48歳の山本さんは、得意のモノづくりがこうじて20代前半で大工の世界へ。地元の工務店で修行を積み、10年ほど前に独立しました。
豊富な現場経験とその人柄で周りからの信頼も厚いようです。
現場監督
「何でも相談に気軽に乗ってくれるアイデアマンなんですよ。引き出しがいっぱいあるんですよ。無理とかっていう風に言わないで、こういう風にすればできるんじゃないかって」
施主奥様「家が出来たらを1曲披露してほしいです」
山本さん「無事完成したらライブにお誘いしますので」
施主夫婦「わぁーい」
山本さん
「一人で何かやっているようですけど、いろんな人がいて初めて仕事ができるわけで。家建ててほしいんですけどって電話来るっていうことに、感謝しかないわけですよね。だからそういうのはすごい大事だなと思ってる。すごい楽しいですね。本当に楽しくて、ずっとやらせてもらってますね」
毎日、大工として大忙しの山本さん。自宅に帰ってからは曲づくりに没頭します。
高校卒業と同時にプロのミュージシャンを目指し上京した山本さんは、米軍基地のある東京都福生市のライブハウスで本場のブルースと出会いました。
山本さん
「格好良かったですね。日本の音楽と違うなぁと思ったのは、とにかく楽しんでいる。音楽っていうのがすごく身近なもので、自分のわがままを言えるものなんだなと感じた」
駆け出しのブルースシンガーとしてライブを重ねる日々。たくさんの出会いや体験の中で自身の音楽を確立していきます。その後、結婚と子どもが生まれたことを機に岩手にUターン、拠点を移し、現在まで3枚のアルバムを発売しました。
楽しむことを忘れない山本さんの生き方。次女の千鶴さんにはどう映っているのでしょうか?
千鶴さん
「普段から朝起きてお父さんがギター弾いている、当たり前だった。自分って音楽に囲まれているんだなぁって思った。好きなことしている姿はかっこいい」
実は千鶴さんも最近、音楽を始めました。お父さんの曲で一番のお気に入りを練習中なんだそうです。
千鶴さん「生まれた時から聴いてた曲、だから好き」
山本さん「これは俺が高校生の時に作った曲ですから」
親子でステージに立つ日も、そう遠くはなさそうです。
山本さん
「コミュニケーションを取りたいっていうのが、自分は音楽だった。だからこうして大工でも人と人のつながりを大事にできる。そしてやっぱり楽しまないと、損。そうやっていきたい」
何事にも楽しむ心を忘れない。山本さんの二刀流の「モットー」です。