【JR山田線の一部区間 JRと県北バスが共同経営へ】岩手
盛岡と宮古を結ぶJR山田線の一部の区間について、JR東日本と岩手県北バスがことし4月から共同で経営することになりました。
鉄道の乗車券でバスを利用できるなど、「地域の足」である公共交通を維持するための新たな取り組みです。
これは、JR東日本と岩手県北バスが17日の会見で発表しました。
2社が共同で経営するのは、盛岡駅と宮古駅の間のうち、JR山田線と国道106号線が並行して走らない上盛岡駅など3つの駅を除く一部の区間で、期間はことし4月1日からの5年間です。
独占禁止法の特例に基づき国土交通省から17日付けで認可がおりました。
これによって、JRの乗車券で盛岡と宮古を結ぶ岩手県北バスの路線「106バス」への乗車が可能になり、県外から宮古に向かう観光客などにとって移動の選択肢が広がります。
このほか、ダイヤについても乗り遅れを防ぐため発車時刻の偏りをなくすなど利便性の向上に向けた協議ができるようになりました。
特定のエリアを鉄道とバスの事業者で共同経営するのは、徳島県の事例に続き全国で2例目だということです。
岩手県北自動車 鈴木拓社長
「人口減少の中で利用者は基本的に減ってきているという中で、そこを取り合うのではなくて、逆に協力することで、公共交通の利便性を上げてそれによって利用者のパイを増やす。結果として、バス、鉄道それぞれの利用者も増えていくそういう形を作っていきたい」
JR山田線の昨年度の収支は上米内・宮古間でおよそ17億5000万円の赤字となっています。
また、岩手県北バスにとっても106バスの「急行」の利用客がコロナ禍前の水準に戻っておらず、利用客をどのように増やすかが課題となっています。