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きらやか銀行 9月に返済期限を迎える公的資金200億円 13年後に返済延期へ

2024年8月30日 18:28
きらやか銀行 9月に返済期限を迎える公的資金200億円 13年後に返済延期へ

山形市に本店を置くきらやか銀行は30日、9月末に返済期限を迎える公的資金200億円について、業績悪化などを理由に返済期限を13年後まで延期する方針を決めました。

きらやか銀行は30日、川越浩司頭取と西塚英樹取締役が記者会見を開きました。

きらやか銀行川越浩司頭取「公的資金の返済期日につきましては、当初の2024年9月30日を13年後の2037年9月30日に変更したいと考えています」

今回、返済を延期する公的資金200億円は、リーマンショック後の2009年、中小企業のサポートを手厚くするための資本基盤強化などを目的に国から注入されました。

粟野学頭取(当時)「地域経済の活性化に一層貢献して参る所存です」

きらやか銀行にはこのほかにも、2012年と2023年の2回に渡り合わせて280億円の公的資金が親会社のじもとホールディングスを通じて注入されています。
しかし、きらやか銀行はことし3月期の決算が過去最大の244億円の赤字となり、2年連続で大幅な赤字を計上しています。この影響でじもとホールディングスは、公的資金注入に伴って国に発行した「優先株」への配当ができず、国が議決権の63%を取得して実質的に国の管理下に入っています。

きらやか銀行西塚英樹取締役「返済の期日があるものについての期限延長ということで、当初の期日に返済できないことを真摯にその事実を受け止め、大いに反省している」

じもとホールディングスは、業績の悪化により、公的資金200億円の来月末までの返済が困難だとしました。200億円の返済期限を延長した場合、13年後の2037年は、別の公的資金100億円の返済期限でもあるため、合わせて300億円の返済が必要になります。

西塚取締役「今般作った収益計画、返済計画は蓋然性の高くないと当局も認めないだろうし、確かに金額としては多いが、きちんと返済していける水準」

返済期限の延長は、今後、金融庁と、9月27日の株主総会の承認を経て正式に決定する見通しです。
また、会見では株主総会を経て、川越頭取をはじめ現在の取締役6人が辞任し、新たな頭取となる52歳の西塚取締役をはじめ40代も含む8人の取締役が就任することも発表されました。

西塚英樹取締役「きらやか銀行が変わっていくんだという改革の意気込みを行内外にも示すためには経営を刷新した方がいいという結論になった。きらやか銀行を変えていくんだとの意識を醸成し、一丸となってやっていく」

一方現在、無配当となっている株式の復配について、西塚取締役は「いつ復配できるかは現時点では明らかにできない」としました。