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2週間ほど遅くサケが遡上 遊佐町で水揚げ 8・9月の海水気温平年より2度以上高く 

2023年10月27日 17:43
2週間ほど遅くサケが遡上 遊佐町で水揚げ 8・9月の海水気温平年より2度以上高く 

産卵期を迎えたサケの遡(そ)上が始まり、山形県遊佐町でいま、人工授精をするためにサケの腹から卵を取り出す作業が行われています。

月光川水系の支流・滝淵川にある枡川鮭漁業生産組合の採捕場で27日午前8時半ごろから組合員が総出でサケを仕掛けに追い込む作業に取り掛かりました。
網やクレーンを使ってすくい上げたサケは雄と雌に分けられ、雌の腹からは赤く輝く卵が取り出されました。
この日は県内各地のふ化事業者が参加する技術講習会も合わせて開かれ、参加者たちは組合員や県の担当者が実演する採卵作業の要点を確認していました。
一方で異変もー。ことしは遡上するサケの数が例年になく少ない状況だと言います。

枡川鮭漁業生産組合尾形修一郎 組合長「ことしのサケの遡上は非常に少ない。前年の遡上の数と比べると20日現在で2パーセントいきません」

滝淵川ではことし、例年より2週間ほど遅い10月初旬に、ようやくサケの遡上が確認され、1週間ほど前から採捕作業を始めました。27日はおよそ200匹のサケが網にかかりましたが、まとまった数が見られるようになったのはここ2、3日のことだということです。

枡川鮭漁業生産組合尾形修一郎 組合長「ことしの高温が影響していると思われる。サケそのものが冷たいところを好む魚その影響」

県水産研究所によりますと庄内沖の海水温はことし8月の平均で28・2度、翌9月は27・6度とともに平年より2度以上高くなっています。これがサケの遡上が遅れている要因となっている可能性もあるということです。組合ではシーズンの後半期、11月中旬から12月上旬にかけての盛り返しに期待しています。

枡川鮭漁業生産組合尾形修一郎 組合長「安定してサケが来ることによってお客さんにも安く提供できる。きょうの講習会をより有効に生かして安定したサケ資源を確保したい」

組合では今シーズン、およそ1000万匹の稚魚をふ化させ、来年2月から3月にかけて稚魚を放流する計画です。