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「手書きの書類作成で腕のしびれ悪化」 国に対し慰謝料求めた司法修習生の訴え棄却

2024年2月7日 12:28
「手書きの書類作成で腕のしびれ悪化」 国に対し慰謝料求めた司法修習生の訴え棄却

山形地方裁判所で司法修習をしていた男性が当時、手書きでの書類作成を指示され、腕のしびれが悪化したなどとして、国に対し慰謝料などの支払いを求めた訴訟で、山形地裁は6日、男性の訴えを棄却しました。

この訴訟は2022年、山形地方裁判所に配属された司法修習生の男性が当時の実習をめぐって国を相手取り提訴したものです。

訴えによりますと、男性は実習で法律に関する書類を作成する際、司法修習生の指導を行う最高裁判所の司法研修所の職員から手書きで作成するよう指示され、5時間にわたって作業を行いました。

その結果、男性は腕のしびれが悪化し、2か月の治療が必要になったとしています。

男性は、実習で書類を作成する際に「パソコンでの入力」を選択できないことは職業選択の自由を制約するなどとして国に対し、慰謝料や治療費などあわせて140万円余りの支払いを求めていました。

6日の判決で、山形地裁の本多幸嗣裁判長は「当時、手書きで作成した書類の量は10枚から20枚ほどで身体に過度に負担を課したものではなく、事前に本人から健康上の配慮を求める申し出もなかった」と指摘しました。その上で、男性は司法試験に合格した際も実習後に弁護士資格を取った際も手書きで試験に臨んでいるとして「手書き」が職業選択の自由を侵害していないとして、男性の訴えを棄却しました。

原告の男性はYBCの取材に対し、「敗訴となったことは誠に遺憾。判決理由を精査した上、控訴も視野に検討する」とコメントしています。