印刷ラベル読み込み正規品見分ける 上山市の印刷会社が東京の企業とタッグし開発
山形県上山市の印刷会社が県外企業の技術を応用して、購入した商品が本物かどうかを判別する印刷ラベルの販売に乗り出しました。付加価値の高い酒や農作物などの価値を守り、模造品の流通を防ぐことが期待されます。
上山市の進和ラベル印刷では県内の取引先を中心に、5ミリからA4サイズのものまで、常時およそ50種類のラベルを印刷、販売しています。今回新たに手掛けた製品は一見、何の変哲もないラベルに見えますがー。
山川麻衣子アナウンサー「このラベルの部分にスマートフォンをかざすと、『商品状態が未開封』と表示されます。こちらの商品は『正規流通の品』ですと出てきます」
サービスの名称は「SENGAN(先眼)」。印刷ラベルを読み込むと対象の商品が正規品かどうかを見分けることができるほか、どのような流通経路で手元に届いたのかを一目で確認できます。物価高騰のあおりを受け、ラベル印刷の受注が減る中、新たな収益源を開拓し、巻き返しを図る考えです。
進和ラベル印刷晋道純一社長「高いお金を出して購入したものが間違いなく本物ということをしっかりその場で証明できる。イメージを具体化すると県内では日本酒やワイン、サクランボの紅王も範ちゅうに入ると思う」
ラベルには最新のデジタル技術が詰め込まれています。1つはICチップをラベルに埋め込むことで、商品の情報をスマホに表示させることができる技術。交通系ICカードや電子マネーの読み取りにも使われています。もう一つが、「ブロックチェーン」と呼ばれる情報の改ざんを防ぐ技術です。流通の過程が随時、ICチップに記録され、本物か偽物かを区別します。進和ラベル印刷では地元銀行の仲介で、これらの技術を持つ東京の企業と業務提携を行い、今回の販売にこぎつけました。
きらやか銀行上山支店大谷凌太さん「金の貸し借りだけではなく本質の部分で企業を支援し提案をしていきたい。今回のような形で進められる機会が増えればより地元企業の力になれる」
進和ラベル印刷晋道純一社長「ピンチはチャンスと捉え、顧客の問題解決ができる企業になれるチャンスと考えている」
進和ラベル印刷は今年度末までに、県内企業5社程度に対しこのラベルの導入を目指しています。