山形県内の山火事 過去5年間で発生件数がすでに最多に 半数以上が野焼きなど人為的原因
山形県内ではことし山火事の発生が相次いでいますが、発生した山火事のうち、少なくとも半数以上が野焼きなどの人為的な原因であることが県のまとめでわかりました。相次ぐ山火事の傾向や発生を防ぐための注意点を県の担当者に聞きました。
焼失面積が137ヘクタールに及んだ南陽市の山林火災。県によりますと、1987年に山辺町作谷沢で発生しおよそ40ヘクタールが焼けた「作谷沢大火」と呼ばれる山火事を上回り、記録が残る中では過去最大の規模となりました。
発生から6日目となった9日、消火活動が行われました。
県森林ノミクス推進課 日沼賢尚森林保全主幹「春の乾燥シーズンの地表には落ち葉が乾燥した状態で堆積していて、着火剤に点火したように燃え続けたと考えられる」
県内ではことし、例年に比べて山火事が多発しています。
過去5年間に県内で発生した山火事の発生件数をみると、4年前の2020年は14件、去年は11件などとなっていますが、ことしはすでに1月から5月7日までの4か月余りの間で18件に上り、最も多くなっています。
被害面積は、去年まで年間あわせて10ヘクタール前後で推移していましたが、ことしは南陽の山林火災の137ヘクタールを含む203ヘクタールと例年の20倍以上となっています。
一方、ことし県内で発生した山火事の主な原因は、18件のうちこれまでに判明しているもので、野焼きが6件、焼き畑などが3件、たき火が1件などとなっています。半数以上がこうした人為的な原因です。
県森林ノミクス推進課 日沼賢尚森林保全主幹「ことし発生した山火事の原因についての傾向は例年と同様、たばこや、たき火、野焼きなどの人為的なものが起因している」
県は大規模な山火事が相次いで発生したことを受け、8日から5月31日までを史上初となる「山火事防止運動特別警戒期間」と設定し、広報活動などを展開しています。
県森林ノミクス推進課 日沼賢尚森林保全主幹「特に森林内ではたばこを控えることやたき火を行わないことなど火の取り扱いには十分注意するようお願いする」
県によりますと、過去5年に発生した山火事を分析したところ、4月と5月は1年の中で特に発生件数が多いといいます。強風や空気が乾燥している時はたき火などをしないなど火の取り扱いに注意を呼びかけています。