酒田市で浸水被害で使用できない排水施設の説明会 12月に仮復旧も今後内水氾濫が起こる可能性
7月の記録的大雨による浸水被害で使用できない状態となっている酒田市松山地域の排水施設について、国土交通省酒田河川国道事務所は10日夜、周辺住民に復旧作業の見通しなどを説明しました。
酒田市松山地域の最上川と竹田川、藤里川の2つの支流の合流点にある排水施設・竹田排水機場は、7月25日の大雨で浸水し、現在も使用できない状態となっています。
10日の説明会には、竹田地区の住民およそ40人が出席しました。
酒田河川国道事務所によりますと、7月25日午後、最上川の水位上昇で支流に水が逆流するのを防ぐため水門を閉じ、堤防の内側の水を最上川に放出する排水を開始しました。しかし、翌26日の午前0時すぎ、竹田地区では集落内の排水が追いつかず水があふれる内水氾濫が起き、排水機場が浸水。職員が建物から避難したため、その後、排水の操作ができずおよそ2時間半後(午前2時半)、機械が水没したということです。
施設の復旧作業はことし12月をめどに故障したポンプなどを仮復旧し、排水能力を上げるため新たに排水ポンプと配水管を増設する方針です。
被災した遠田千鶴子さん「今回の雨に対応できる機械ではなかった。ちょっと納得できない点があった」
竹田自治会 荘司東一会長「気候の温暖化があり集中豪雨がまた一段と増えると思うのでそれに対応するような機能のアップをこれから求めて行きたい」
酒田河川国道事務所は2026年度内を目標にポンプ設備の本復旧と施設の浸水対策を強化する方針です。
しかし、最上川の水位が氾濫の危険になった場合、集落内から川への排水はできないため、内水氾濫が起こる懸念があります。そのためには最上川の堤防の強化といった治水対策が必要不可欠で、ポンプの性能を上げても内水氾濫発生の可能性はなくならないため、住民の不安解消にはまだ時間がかかりそうです。