酒田市中心部の不審火 最後の発生から2週間経過も警察は警戒強化 連続放火も視野に捜査進める
酒田市中心部で4月末から不審火が合わせて6件相次ぎ、最後の発生から24日で2週間が経ちました。警察では連続放火の可能性も視野に捜査を進め、現場周辺でのパトロールを強化しています。これまでの経過をまとめました。
23日午後8時過ぎー。酒田市の市街地を静かに走るパトカー。一帯では2週間前まで、市民を不安にさせる事態が続発していました。
家の骨組みがむき出しになり、全体が黒く焼け焦げた建物ー。火事は、住宅密集地や松林でもー。
酒田市中心部で相次いで発生した不審火。その数は、2週間足らずで6件に上ります。そしてこの6件には、共通する特徴がありました。
最初の発生は、4月28日、午前11時前ー。
日吉町2丁目。日和山公園に近く、飲食店や観光施設が立ち並ぶエリアで起きました。老舗料亭の車庫から出火し、内壁の一部とプラスチックケースや段ボールなどが焼けました。
その3日後ー。5月1日の午後7時40分ごろ、北新町2丁目にあるアパートの解体工事現場で柱などが焼けました。1件目の現場から直線距離で600メートルほどの近さに加えー。
近所の人(きょうは作業員は来てない?)「きょうは全然来てないです。きのう夕方帰って、きょうはお休みみたい」
工事業者によりますと、この日は現場で作業は行われておらず、出火当時は無人だったといいます。
更にその3日後、高砂の松林でマツの丸太や下草が焼ける火事が発生。
ここから3日連続で火災が発生していきます。
5月5日には寿町にある木造平屋建ての会社事務所が全焼。
近所の人「屋根から火の粉と炎が出ていた。連休中なのでたぶん日中も誰もいなかった」
翌日の6日朝には、また、松林の丸太や下草が焼ける火事。前に丸太が焼けた現場とはわずか数メートルしか離れていませんでした。
そして、5月10日にはー。
近所の人2組「小屋の辺りから炎が出ていた」「この場所で立て続けに火事が起きるのは信じられない」
1日に火事があったアパートの解体現場と同じ町内。更に20~30メートルほどしか離れていない場所で、物置小屋が全焼。隣接する空き家の壁も焼けました。
空き家の管理人「帰るときはブレーカーを落としているので、火の気になるようなものは無いような状態にしているつもり」
共通点は何かー。6件はいずれも火の気がない場所で起きた〝不審火〟でした。
発生場所は6件とも酒田市の中心市街地で、半径1キロメートルの範囲。このうち、松林を除く4件は半径500メートルほどで発生しています。
発生時間帯は、午前8時ごろから午後11時ごろまでで、6件のうち4件は夕方から夜遅くにかけて起きています。曜日別では、火曜日と木曜日は発生していません。
また、最後に発生した10日深夜の火事では、火事の直前に不審な人物が目撃されていました。
目撃者「火事が起こった方向から路地を下ってきた。多分男で体形はがっちりしている。髪は短髪だったと思う。スーツとかではなくスエットだったと思う」
近隣住民によりますと、不審火が発生した時間帯は、普段なら人通りがほとんどありません。これまでの捜査では、北新町2丁目で発生した2件と会社事務所が全焼した1件の、少なくとも3件の現場から灯油とみられる油の成分が見つかっています。
最後の不審火の発生から2週間。警察は、連続放火の可能性を視野に、捜査を進めています。また、市内中心部では空き家があるエリアなどを重点的に回り、警戒を強めています。