「救える命救えない恐れ」救急車の出動件数が過去最多ペース「適正利用を」現場に危機感 山梨県
9月9日は語呂合わせで「救急の日」です。甲府地区消防本部では今年に入り救急車の出動件数が過去最多ペースとなっていて、適正利用を呼びかけています。
甲府地区消防本部によりますと、今年1月1日から9月8日までの救急車の出動件数は1万2428件に上り、過去最多だった去年の同じ時期を634件上回っています。搬送患者は1万6133人でしたが、このうち半数ほどは入院の必要がない軽症者だったということです。
救急車の出動件数増加の背景には高齢者の増加などがありますが、このまま右肩上がりの状況が続けば「現場がひっ迫し、本当に必要な人が救急搬送できない事態になりかねない」と現場は危機感を抱いています。
甲府地区消防本部 向山哲央 救急救助係長
「不適正利用が増えると(そちらに)救急車を割くことになり、より遠くの救急車が現場に向かうことになる。受け皿の医療機関の数が増えておらず、医師の働き方改革も進んでいて、医療のひっ迫にもつながり救える命が救えない危険性がある」
119番通報の中には「カギを側溝に落とした」「病院を予約しているから迎えにきてほしい」などといった要請もあるということです。甲府地区消防本部は救急車を呼ぶか判断に迷った時は救急電話相談窓口「♯7119」などを活用してほしいと呼びかけています。