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「乗っ取られる」突如現れた“異形の集団” 旧上九一色村、住民の闘い~シリーズ「オウム30年」①

2025年3月17日 22:56
「乗っ取られる」突如現れた“異形の集団” 旧上九一色村、住民の闘い~シリーズ「オウム30年」①

 地下鉄サリン事件をはじめ、数々の凶悪事件を起こしたオウム真理教。山梨県旧上九一色村の教団施設への強制捜査から3月で30年を迎える中、当時の映像と30年後の証言で事件について考えるシリーズをお届けします。1回目は突如として現れた“異形の集団”から、平穏な生活を守ろうとした住民の闘いの軌跡を振り返ります。

楠間記者
「富士河口湖町の富士ケ嶺地区です。酪農が盛んで静かな風景が広がる地域ですが、まだ上九一色村と呼ばれていた平成の始めに突如としてオウム真理教が進出し、地元住民と激しく対立しました」

 1990年、総選挙に多くの信者を送り込んだものの、全員が落選したオウム真理教。

 旧上九一色村(現・富士河口湖町)と旧富沢町(現・南部町)に「サティアン」と称する大規模な活動拠点の建設を始めたのは、この年です。

オウム真理教 教団側
「例えば紙を書いて『この法律のここがまずいんじゃないですか』とか。口で言われても分からないですよ」

地元住民側
「役場の担当者が来てあんたと話をしたじゃないですか。あんたは名前を聞いても」

オウム真理教 教団側
「言ってますよ、この人たちには。あなた方の対応がすごいでしょ」

地元住民側
「あんたが言っていることを我々は信用できない」

 山梨と同様、教団施設が建てられた熊本県波野村で反対運動が展開され、クローズアップされた教団の異常性。

 旧上九一色村でも騒音や汚水の流出など、様々な問題が噴出しました。

村民集会で住民は
「牧草の中に平気で車を乗り入れて踏み荒らしていく。こういった常識を知らない連中です」

 村と教団の対立が決定づけられたのは、この頃のことです。

 富士ケ嶺地区に住む竹内精一さん(96)は当時、対策委員会の代表委員として教団と向き合っていました。

竹内精一さん(96)
「塀をつくり始めた。塀といっても中途半端な塀じゃない」

竹内精一さん(96)
「鉄板で3メートルほどのを立てて、見えないんだから中が」

山梨放送