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【独自解説】衝撃!金一族“贅沢三昧”「腕時計」「車」「調味料」“敵国製品”愛用?? 年間数億円にも及ぶ“禁じられた高級品”入手のワケとは

2023年10月27日 17:00
【独自解説】衝撃!金一族“贅沢三昧”「腕時計」「車」「調味料」“敵国製品”愛用?? 年間数億円にも及ぶ“禁じられた高級品”入手のワケとは
金一族の“贅沢三昧”を韓国政府が発表

 10月19日、韓国・統一省が「北朝鮮が1年間に数千万~数億円規模で金正恩一族のためのせいたく品を密輸しているとみられる」と発表しました。現在、北朝鮮は国連安保理の制裁により宝石や高級ブランドなどの“贅沢品”の輸入が禁止されています。しかし金一族は、一般市民が食料など経済的に苦しい状況の中、年間数億円もの大金を投じ“贅沢品”を密輸しているというのです。北朝鮮の金一族は、どうやって世界各地から“贅沢品”を集めているのでしょうか?朝鮮半島情勢に詳しい龍谷大学の李相哲教授が解説します。

 韓国・統一省の当局者によりますと、「金総書記一族の情報は極秘で正確には把握できないが、宝石・時計・高級ブランド品など世界各地から密輸した贅沢品の総額は年間数億円にのぼる」ということです。

Q.金総書記一族だけで数億円なのですか?
(龍谷大学 李相哲教授)
「2023年7月までに北朝鮮が密輸入した贅沢品の総額は、60数億円になると言います。その中の数億円が金一族のためのものだといわれています」

 贅沢品の密輸は通称「39号室」が担当しているということで、各国の在外公館から送られてきたカタログの中から、購入品の選定をしているそうです。

Q.「39号室」は贅沢品を輸入するための組織なのですか?
(李教授)
「金総書記一族の金庫番です。資金を集めて、そこから分配する、資金を管理する部門です」

 贅沢品の密輸ルートは、複数の経由地たどり、最終地点が分からないようにして中朝国境に集められるといいます。これは各国大使の命がけの忠誠競争だということで、安保理制裁を完全に無視しています。

Q.以前はシンガポールに集められるといわれていましたが、今は中国ですか?
(李教授)
「中国まで来るのにかなりいろんな経路をたどっています。なかには“外交特権”を利用して送ったりするものもあるといいます。金正日時代、金正日主席は狩猟が趣味だったので3万ドルもする猟銃を贈った大使がいたが、すでに他の大使が30万ドルの猟銃を贈っていて、3万ドルの猟銃を送った方が怒られた、という話を脱北した外交官から聞いたことがあります」

Q.外交官は保身のためにこういうことをしているのですか?
(李教授)
「外交官の主な業務になっていますし、こうやってゴマをすっておけば自分の地位が安定します。また、北朝鮮に置いてきた自分の家族を連れだすのにも、贅沢品を送ることを利用します」

Q.北朝鮮の海外の大使館で働く人は、誰か家族を国内に置いていかなければならないのですか?
(李教授)
「家族の1人は必ず平壌に置かなければなりません」

 金総書記一族が身に着けている贅沢品ですが、金正恩総書記は約176万円といわれるIWCの時計や10万円以上するモンブランのペン、妹の金与正氏は、約100万円のディオールのバッグ、娘のジュエ氏は、約25万5000円のディオールのコートなどがカメラに写されています。

Q.金正恩総書記は、国連に制裁されているなか贅沢品を身に着けているところをカメラに撮られていても気にしないのですか?
(李教授)
「そういった感覚の持ち主なら、こんな悪いことはしません」

Q.北朝鮮の人はブランド品だと分かるのですか?
(李教授)
「一般の北朝鮮国民は、こういったブランドを知らないでしょうね」

Q.北朝鮮は西側の国と国交があったりするのですか?
(李教授)
「イギリスやイタリアは国交があります。スウェーデンは昔から大使館を置いていますし、エジプトとはものすごく親しいですし、永世中立国のスイスとも親しくしています」

 金正恩総書記は、敵対する国の製品も愛用しているということです。例えば、9月にロシアを訪問したときに、金総書記はベンツに乗っていましたが、護衛車は韓国のヒュンダイ自動車の高級ミニバンでした。8月に北朝鮮国内の宴会の様子を写した写真には味の素の「アジシオ」が写っていました。

Q.金正恩総書記は日本食が好きなのですか?
(李教授)
「金総書記は、日本食を食べて育ったと思います。そして『味の素』は日本統治時代からあって非常にポピュラーで『アジノモト』は韓国・朝鮮語にもなっています」

稼いだ外貨は、核・ミサイル開発と金一族のために使われる

 贅沢品の調達資金はどこから出ているのでしょうか?李教授によると、密売や武器の販売、ハッキングなどで外貨を集めているということです。李教授は「稼いだ外貨は、核・ミサイル開発と金一族のために使われる」と話します。「もちろん人民のためには使われない」ということす。

(李教授)
「紛争地域には必ず北朝鮮の武器があるといわれています。今は減りましたが、以前北朝鮮は年間10億ドル以上の武器を世界に売っていました。国連の制裁が厳しくなってからは、ハッキングで年10億ドル近くを盗んでいます」

Q.このハッキングを止めることは難しいのですか?
(李教授)
「アメリカが本腰を入れようとしていますが、日本をはじめ各国が協力しないといけません。ハッキングの拠点が北朝鮮国内なら制裁しやすいのですが、中国だったりロシアだったりパキスタンだったりしますので、対応はなかなか難しいといわれています」

(「情報ライブミヤネ屋」2023年10月26日放送)

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