【何が…】雑居ビルに女子高校生ら住まわせ“組織的な売春” 商品の制服着せて“実技指導”性的暴行も…少女らを「喰いモノ」にした犯行の実態
大阪市内の雑居ビルに女子高校生らを住まわせ、売春させていたなどとして無職の男らが逮捕・起訴された。男らはSNSで「60分2万1000円」などとうたって、組織的に少女らを売春させ、約10か月で2500万円ほどを売り上げていたとみられている。中にはその少女らに対して“実技指導”と称し、性的暴行を加えたとされる男も…。取材で見えてきたのは少女らを「喰いモノ」にした犯行の実態だった。
■警察署の真横に堂々と“売春拠点”が…
大阪のシンボル・通天閣など、ディープな街並みが残る大阪市浪速区。その地域を管轄する警察署のすぐ横に売春拠点となっていたビルはある。3階建てで、1階には学生服などを扱うスポーツ用品店が入っているが、警察によると、その2~3階部分に女子高校生らは住まわされていたという。
このビルに少女らと一緒に住んでいたのが、無職の宇都宮志彦被告(29)だ。宇都宮被告は去年11月から12月にかけて、大阪市内のホテルで府内に住む女子高校生3人に売春をさせるなどした罪に問われている。
■「10代でもいける仕事がある」と勧誘…「60分2万1000円」被告はホテルに送迎
宇都宮被告は路上で少女に「10代でもいける仕事がある。興味はないか」と声をかけるなどしてビルに住まわせた上で、ほぼ毎日、午後5時から午後10時ごろまで、市内の路上で売春の客待ちをさせていたという。
さらに、宇都宮被告はSNSで「the H 日本橋デリバリーヘルス」という名前で客を募集。少女らの自撮り写真に加え、「60分2万1000円」「120分3万8000円」などと値段を記載していたみられ、客が決まればホテルに送迎していた。
警察は宇都宮被告が、少なくとも約10か月間で2500万円ほどを稼ぎ、その半分ほどは少女らに渡して、残りで車を購入したり、遊興資金に充てていたりしたとみている。
警察はこれまでに10か所以上の関係先を捜索し、15歳から17歳の少女7人を保護した。
ある捜査関係者は「少女らは監禁されていたというほどではない」と話すが、ある少女は「(宇都宮被告から)仕事中にどこかにいくな。たたくぞ」などと言われていたという。
さらに、このグループでは、少女らを客と売春させるだけにはとどまらなかった。ビルの1階に入るスポーツ用品店の経営者・柴田隆行被告(44)は去年12月、当時15歳の少女2人にビル内で性的暴行を加えたとして逮捕・起訴された。
柴田被告は宇都宮被告に「場所」を提供した上で、“実技指導”と称して性的暴行を加えていたとされるほか、犯行の様子を撮影していたという。
また、店の商品であるはずの制服を少女に着させて犯行に及んでいたこともあったという。
■事件発覚のきっかけは「グリ下」 被告「身に覚えがない」と否認
一連の事件はどうやって発覚したのか―。警察によると、少女の1人は大阪・道頓堀の「グリコ」看板近くの路上、通称「グリ下」に出入りしていて、そこで警察が職務質問したところ、「(売春の)客待ちをすることがある」と話したという。
警察は25日、少女らを車で送迎していた無職の20代の男ら2人を売春防止法違反などの疑いで書類送検し、捜査を終結したと発表した。また、すでに少女らも売春の非行内容で家庭裁判所に送致されたり、児童相談所に通告されたりした。
宇都宮被告は当初の警察の調べに対し、「まったく身に覚えのないことでわかりません。女の子を私のところに住まわせたということはありません」と容疑を否認しているほか、柴田被告も「売春グループとは知らなかった」などと否認。2人とも、いまは黙秘しているという。