【特集】「『完治という言葉がない』と言われ絶望」“体操のひろみちお兄さん”こと佐藤弘道さんを突如襲った『脊髄梗塞』 下半身麻痺による過酷な闘病と死すら考えた“どん底”の日々…支えとなった家族との絆と、妻・久美子さんが初めて伝える想い

『脊髄梗塞(せきずいこうそく)』により下半身麻痺(まひ)となったことを公表した、“ひろみちお兄さん”こと佐藤弘道さん。突然の病魔に絶望を感じた日々・壮絶なリハビリ生活・支えとなった家族とのエピソードなどを語っていただきました。発症から3か月間、最も近くにいた妻・久美子さんが抱えていた後悔と葛藤、そして心に秘めていた願いとは―。
■日本中に衝撃が走った、突然の病の公表…その裏にあった想いとは―
2024年6月13日、佐藤弘道さんは直筆のメッセージで『脊髄梗塞』を公表しました。
Q.公表された理由について、聞かせていただけますか?
(佐藤弘道さん)
「レギュラー番組があって、1週目は体調不良で休ませていただきました。丸6年1回も休んでいない佐藤弘道が2週目も体調不良で…というのは、さすがに隠し通せないと思って、事務所の人とも相談して『公表しよう』となりました。直筆で発表したことによって、きちんと病気と向き合え、気持ちが切り替わったので、そういう意味では直筆で発表できて良かったと思います」
Q.応援の手紙などは、たくさん来ましたか?
(佐藤さん)
「たくさん頂いて、すごく励みになりました。本当に、ありがとうございました。また、今回病院などでお世話になった若い子たちが、みんな“ひろみちチルドレン”で、子どもの頃に僕がお世話した子たちが、今度は僕のことをお世話してくれた状況だったので、前を向くしかないと思いました(笑)」
■佐藤弘道さんも“筋肉痛”かと思った、『脊髄梗塞』の気付きにくい“前兆”とは?
大阪医療センター脳神経内科 科長・岡﨑周平医学博士によると、佐藤さんが発症した『脊髄梗塞』とは、脊髄に流れる血管が詰まることで神経が機能しなくなる病です。麻痺・筋力低下・感覚障害などの症状を引き起こしますが、今現在も有効な治療法が確立されていません。
入院する2日前に異変を感じていたと言う佐藤さん。「テレビ番組の収録で筋トレの実演をした後、背中が痛くなり、妻に湿布を貼ってもらった。結構痛かったが、筋肉痛かと思った」と振り返ります。
Q.その時は、さほど重大なことだとは思っていなかったですか?
(佐藤さん)
「仕事柄、筋肉痛は当たり前なので、特に気にしていなかったです。妻にも湿布を貼ってもらったし、翌日には、もう痛みがなかったので」
岡﨑医学博士によると、「これが“前兆”だったかはわからないが、直前に背中などに痛みを感じるケースがある。一方で、痛みを感じることなく、気が付いたら体が麻痺してしまっているケースをもある」ということです。