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「『がん細胞が死ぬ』と勧められた自由診療の薬で容体悪化」死亡した男性の遺族がクリニック院長を提訴

2024年10月24日 18:09
「『がん細胞が死ぬ』と勧められた自由診療の薬で容体悪化」死亡した男性の遺族がクリニック院長を提訴

 自由診療を巡る問題です。大阪市内のクリニックで「がん細胞が死ぬ」と勧められた自由診療の薬を投与されたことで容体が悪化したとして、その後死亡した男性の遺族が、院長に損害賠償を求め提訴しました。

 遺族
「『僕に万が一のことがあったら、裁判に訴えてほしい』という言葉を残していました」

 23日、大阪地裁に訴えを起こしたのは、2022年に死亡した当時46歳の男性の遺族です。

 訴状によりますと、男性は3年前、「前立腺」か「精嚢」のがんと診断。一般病院での抗がん剤治療と同時に、大阪市内のクリニックでも診察を受けていました。

 そのクリニックの院長が勧めたというのが、公的な医療保険が適用されず、全額自己負担となる「自由診療」の薬でした。

 院長(吹き替え)
「このアメリカ製の治療薬は、これ迄の日本製よりもパワーあるようです」

 亡くなった男性(吹き替え)
「可能であればGSDM E(ガスダーミン イー)を試してみたいです」

 院長(吹き替え)
「ではガスダーミン用意致します」

 男性は、「ガスダーミンE」と呼ばれる薬の点滴を投与されたということですが、その後容体が悪化し、半年後にがんで死亡したということです。

 遺族は、院長が薬の投与後、男性に対して「ガスダーミンE」とは別の薬を使っていたことを伝えていたほか、治療の同意書が見当たらないことから、院長が正体不明の薬を十分な説明なく男性に投与し、病状を悪化させたなどとして、935万円の損害賠償を求めています。

 遺族
「ずさんな対応だったんじゃないかなと思います。主人にどういう説明をして、薬を投与する話になったのかも教えていただきたい」

 原告代理人の前川拓郎 弁護士
「本当に藁にもすがる思いで(自由診療の)お医者さんの所に行って治療を行うわけです。エビデンス(根拠)がほとんどないものであれば、『ほとんどない』ことをきちんと伝えてほしいです。伝えた上で、それでも患者がやると言うのかどうなのかという話を(裁判で)ちゃんとしていきたい」

 一方、クリニックの院長は取材に対し、「納得の上で同意を得ていたが、同意書は作成していなかった。 使った薬はガスダーミンEで間違いなかった」としています。

 がんの自由診療について、専門家は注意が必要だと指摘します。

 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科・勝俣範之教授
「高額な費用を出せば、何か患者さんは良いと思う人が多いんですが、これ逆なんですね。そんなに簡単に治るようなものがあれば、そもそもちゃんとした病院でもやりますよ」

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