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【年金密着】「ペースメーカーが入っていて、がんで胃もほぼない」収入は年金の約10万円のみ…重病を患い、貯蓄もなく、電気代節約のため商店街をウロウロする日々 それでも、懸命に“今を生きる”

2024年6月25日 16:00
【年金密着】「ペースメーカーが入っていて、がんで胃もほぼない」収入は年金の約10万円のみ…重病を患い、貯蓄もなく、電気代節約のため商店街をウロウロする日々 それでも、懸命に“今を生きる”
闘病中の年金受給者・松宮さん(71)

 2024年6月14日(金)は、2か月に1度の年金支給日。今回の支給分から増額し喜びの声が聞こえる一方で、体調や環境などによって、年金受給者の生活は様々です。今回、『ミヤネ屋』スタッフが密着したのは、兵庫県に住む71歳の松宮さん。“がん”“不整脈”などの重病を患い、貯蓄もなく、収入は年金のみ。のしかかる厳しい生活と、松宮さんの“想い”とは―。

(松宮さん)
「体を壊して、ペースメーカーが入っています。がんで、胃もほぼないんですよ。それで医療費がしんどいから、助けてもらっているんですけど、やっぱり貯蓄はできないですね」

 病気と闘いながら年金生活を送っている松宮さん。1か月の年金は、約10万円。一体、どんな生活をしているのでしょうか―。

 松宮さんは、70年以上住んでいるという小さなアパートに一人暮らし。家賃は3万円ですが、親の代から長く住み続けている物件のため、修理費がかさむといいます。さらに、日々の食費と光熱費、そして医療費を考えると、貯蓄をする余裕はありません。

(松宮さん)
「お年寄りの人は大変やと思うけど、やっぱり電気代を浮かそうと思ったら、昼間。商店街は涼しくてウロウロできるので、2~3時間は潰せる。電気をつけてクーラーをかけて、一日中家におったらバカにならんから、午前中プラッと行って帰って来る、というパターンにしようかなと思って」

 受給している年金については…。

(松宮さん)
「年金をもらったのが、61歳。昔、年金見込み額の通知が来たんですよ。それを見て、『うわ、良い金額や』と思って喜んでいたら、実際どこも減るんですよ。企業年金を別でもらっているけど、2万円ぐらい減ったから」

 月々の収入は、厚生年金と企業年金を合わせた約10万円のみだといいます。

 松宮さんは18歳の時、金属加工会社に入社。その後は、ガソリンスタンドや大手物流会社など仕事を転々として、40代からは大型トラックの運転手を務めていました。そんな働き詰めの日々の中、松宮さんの身に異変が―。

(松宮さん)
「潰瘍から、がんになった。吐血して、痛くて、血便が出て、血を吐いて…病院に行ったら、ご飯も2日間食われへん、仕事も行かれへん」

 58歳の時、胃がんが判明。手術で胃の3分の2を切除しました。その6年後には、心臓が10秒以上止まるなど不整脈であることもわかり、ペースメーカーを埋め込んでの生活を余儀なくされることに…。

 大好きなタバコや遊びに使って、貯蓄がなかった松宮さん。多額の医療費がかかりますが、独身のため金銭面で頼れる人もおらず、悩める日々が続いていたといいます。

 そして、2021年にはがんが転移し、肝臓の半分を切除しました。

(松宮さん)
「胃がんから肝臓に転移したと言われた時は、ほんまにショックやったね…」

 そう言って、涙を堪えきれなくなる松宮さん。

(松宮さん)
「…ただ、もう周りには迷惑をかけたくない、孤独死をしたくない。だから、もしがんでほんまにあかんようになったら、ホスピスか何かあるでしょ、そこに入って。ほんなら、もう周りに迷惑かけずに済むし」

 度重なる病…それでも、懸命に“今”を生きる松宮さんです。

 年金支給日当日の、2024年6月14日。2か月に1度、年金が入った時に、家賃や生活費などの支払いも含めて通帳残高を確認するといいます。

Q.年金は、いくらぐらい増えましたか?
(松宮さん)
「2か月で5000円。1か月で2500円増えている」

Q.金額が上がると嬉しいですか?
(松宮さん)
「嬉しいね。マイナスよりは嬉しいでしょ~」

 年金が入っていることを確認し、ホッとした表情を浮かべる松宮さん。

(松宮さん)
「ケガしても長生きして、がんになっても長生きして…。この先、何とかなるって言ったら怒られるけど、もう深く考えんようにしているんです」

(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年6月17日放送)