斎藤知事が初めてパワハラ認め謝罪も「対応は適切だった」 議員ら批判「馬耳東風、糠に釘という印象」
兵庫県の斎藤元彦知事は26日、第三者委員会の報告書に対する自らの見解を述べ、パワハラについて初めて認め謝罪しました。
斎藤元彦 知事
「(Q:報告書には目を通された?)私としては目を通してはいます」
兵庫県の対応を「違法」とした第三者委員会の報告書の公表から1週間。「内容を精査したうえで語りたい」と述べていた斎藤知事の見解は。
第三者委員会・藤本久俊 委員長
「報告書をしっかり受け止め、県政の発展に生かしていただきたい」(今月19日)
知事の疑惑を検証するために設置された弁護士らによる第三者委員会。
去年9月から調査を進めた報告書は260ページを超え、その中で知事が机を叩いて職員を叱責したことや、夜間や休日にチャットで指示を出したことなど、10の行為がパワハラにあたると認定しました。
また、元県民局長の告発行為を「公益通報」として扱わず、告発者を特定したことについては。
第三者委員会・藤本久俊 委員長
「公益通報対象事実の要件は満たしていると見るべきでしょう。元県民局長への尋問など通報者探索行為が行われました。これは違法な行為です」
26日、兵庫県議会に出席した斎藤知事。
「頑張れ!」「パワハラ!」
議会の外に集まった聴衆からは様々な声が飛び交いました。
その後、行われた会見で語られた斎藤知事の見解。
斎藤元彦 知事
「第三者委員会としてのパワハラに該当するという指摘を受けましたので、第三者委員会としてのパワハラの認定については認めていきたい」
(Q:パワハラを受けた職員に謝罪は?)
斎藤知事
「すでにお詫びをしてます。必要があればまたお詫びをしたい」
しかし、報告書で「違法」とされた“告発者捜し”については、これまでと変わらない主張を繰り返しました。
斎藤元彦 知事
「報告書のご指摘はしっかり受け止めなければならないと思っていますが、この違法性の認定については専門家でも意見が分かれてるというところで、我々としてはこれまで会見や議会で申し上げた通り、今回の対応については適切だったと認識しています。私の責任を問う声も聞こえています。しかし、反省すべきところは反省し、改めるべきところは改め、今回の一連の件を契機に、より風通しの良い職場環境を構築するのが、県民の皆様に対する私の責任の取り方であると考えています」
知事の見解を受けて、兵庫県議会の議員らは…。
維新会派・門隆志 県議
「ご自身が告発者の探索をしたところに関して違法性を指摘されている以上は、何らかの処分は自分に科すべきだ。従来通りの『違法性がないと思っている』というのはなかなか通用しない」
立民系(ひょうご県民連合)迎山志保 県議
「法の支配を否定するかのような為政者としてはあるまじき対応かなと思う。“馬耳東風”“糠に釘”という印象をもってしまう状況で、議会としても徒労感というか、もうしんどいなと」
異常事態が続く兵庫県政を今後どのように進めていくのか。慎重なかじ取りが求められています。