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【速報】奈良・藤原京跡地で「九九」書かれた木簡発見 識者も驚き…1300年前の古代の役人が使用か

2024年9月4日 17:00
【速報】奈良・藤原京跡地で「九九」書かれた木簡発見 識者も驚き…1300年前の古代の役人が使用か
画像は左から、出土した木簡、赤外線で文字を鮮明化したもの、文化財研究所が考察した木簡の全体像(提供:奈良文化財研究所)

 奈良文化財研究所は、5日に一般公開する予定の調査研究報告書を報道陣に公開し、約1300年前の木簡から、過去に例のない「九九」について書かれた記載が見つかったと明らかにしました。

 この木簡は、奈良県橿原市の「藤原京」の跡地から2001年に出土したもので、その後、奈良文化財研究所が解読を進めていたところ、この度、九九が書かれていることが判明しました。去年、赤外線観察をしたところ、漢数字を見つけ、早見表として用いられた九九の木簡だと分かったということです。

 木簡は、右上に「九々八十一」と書かれていて、当時は9の段から順に、右から左へ記載されていたと考えられます。「九々八十一」の下には「四九卅(三十)六」と書かれていることから、九九を縦8行・横5行の表にまとめた早見表と推測されます。日本では、これまでにも九九の木簡は出土していますが、1段に2-3行しか書かれていなかったということで、横5行で記した木簡は今回が初めてということです。

 九九は中国や韓国から日本に伝わり、当時は役人の出勤日数や租税などの計算に用いられた可能性が高いとしています。この木簡は「衛門府」という宮中の周辺の警備などにあたる役所が使ったものと推測され、九九の木簡としては最古級のものということです。

 奈良文化財研究所は今回の木簡について「1段5行という多い行を書いた木簡が日本にもあったんだということが分かって、正直驚きました。古代で役人さんたちが九九をどう使っていたのか具体的な一端が明らかになりました」と取材に答えました。