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「3歳だった娘が4月から看護師に」事故で重傷の女性は今も後方の車両に乗車「頭から消えることない」JR福知山線脱線事故から19年

2024年4月25日 11:28
「3歳だった娘が4月から看護師に」事故で重傷の女性は今も後方の車両に乗車「頭から消えることない」JR福知山線脱線事故から19年
土田佐美さん

 乗客106人が死亡したJR福知山線の脱線衝突事故から25日で19年となり、事故現場に作られた追悼施設「祈りの杜」で行われた追悼慰霊式には、遺族だけでなく、事故で負傷した被害者らも参加しました。
 事故で重傷を負った土田佐美さん(55)は「当事者として頭から消えることはないですし、皆さんに事故のことを忘れてもらいたくない」と語りました。

 土田佐美さんは、亡くなった人が最も多かった2両目に乗車していました。車両から救助され生死の境をさまよう緊急手術は約6時間に及び、一命をとりとめました。

 土田佐美さん
「19年と一言で言っても本当に長いようで短い時間だったなという印象です。事故のことは何年経っても、当事者として頭から消えることはないですし、皆さんに事故のことを忘れてもらいたくないです」

 事故当時、3歳だった土田さんの娘は今年の春に社会人となり、看護師の道を選びました。事故直後に土田さんが入院していた病院と同じ系列の病院で勤務することになったということで、土田さんは「娘が命にかかわる仕事を選んでくれてすごく感慨深い」と笑みをこぼしました。

 土田さんは今では電車にも乗れるようになったということですが、一方で、前方の車両は怖く、後ろの方の車両を選んで乗るようにしているといいます。

 土田佐美さん
「“安全”と掲げるだけでは不十分で、安全は実際の行動が伴わないと進まないと思う。JR西日本の社員1人1人が実際の現場での取り組みを怠らないようにしてほしい」

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