公務の担い手は…皇族が減少し“高齢化”も進む 対策は
皇族の数が減少する中、どう人数を確保していくのでしょうか。17日、安定的な皇位継承のあり方をめぐる会議が行われました
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秋篠宮家の二女、佳子さま。16日、ロイヤルブルーのワンピースに身を包み、5月25日からのギリシャ公式訪問に向け、都内のギリシャ大使公邸で昼食会にのぞまれました。
また、今年、学習院大学を卒業後、日本赤十字社での勤務と皇族としての公務を両立されている、天皇皇后両陛下の長女、愛子さま。5月11日には、初めてお一人で公務にのぞまれました。
女性皇族が多くの公務に取り組まれる中、直面しているのが“皇族の減少”です。
その理由の1つが、女性皇族の皇籍離脱です。秋篠宮家の長女・小室眞子さんのように、結婚すると皇族の身分を離れることが定められています。
この問題に愛子さまも大学卒業時に…
「公務に携わることのできる皇族の数は、以前に比べて少なくなってきていると承知しておりますが、制度に関わる事柄につきましては、私から発言することは控えさせていただければと思います」
皇族の数の確保や安定的な皇位継承など、今後の皇室のあり方について17日、衆・参両院の議長や与野党の代表者らによる会議が初めて行われました。
衆議院 額賀議長
「きょうから立法府の総意としての意見集約に向かったスタート台に立ったところ。各党会派のご意見の調整をした上で、国民的な合意、国民の総意をまとめていく」
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1947年以降で皇室の人数がもっとも多かったのは、佳子さまが誕生された1994年です。当時26人だった皇室は、現在は17人です。また、平均年齢を比べると、1994年には40.3歳。一方で、現在は59.8歳と、19歳以上“高齢化”しているのです。
現在、皇室を構成するのは17人で、そのうち、皇位を継承する資格を持っているのは秋篠宮さま(58)、悠仁さま(17)、常陸宮さま(88)の3人だけです。この状態が続くと、悠仁さまとその配偶者、その子ども以外に、将来、皇族がいなくなることも考えられます。
17日、ようやく国会で始まった議論。政府は皇族の数を確保するため、2つの案を示してきました。
1つは女性皇族が結婚後も皇室に残り、公務を続けられるとする案。これにより公務の担い手を確保する考え方です。
もう1つは、戦後に皇籍を離脱した旧宮家から「男系男子」を養子に迎える案。これにより皇位継承者を増やそうとする考え方です。
法律ではこれまで、皇室に養子を迎えることは認められていません。17日、この2つの案について各党・各会派がそれぞれの考え方を説明。今後、毎週木曜日に協議を行う予定で、衆議院の額賀議長は「今国会中のとりまとめを目標に力を尽くしたい」としています。
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皇室の歴史に詳しい所功さんは「議論のスタートが遅い」としつつ、始まったことは評価できるといいます。
皇室の歴史に詳しい所功さん
「非常に緊急の課題だと言っていいと思います。女子も皇族として役割を果たしうるような余地を広げておく。養子としてお入りになられる方がいないとはいえないと思いますから、そういうことは検討したらいいと思う。現実は非常に困難を伴う。でも可能性も含めて広げておくことには意味があると思っております」
国民全体の理解を得られた上での議論が必要だとしています。