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【全文】国葬中止署名約28万人分「様々な意見があることは承知」松野官房長官(9/5午後)

2022年9月5日 17:37
【全文】国葬中止署名約28万人分「様々な意見があることは承知」松野官房長官(9/5午後)

大学教授らが安倍元首相の国葬中止を求め、内閣府に署名を提出したことについて、松野官房長官は、5日午後の会見で「様々な意見があることは承知している」と述べた上で、国葬を執り行う理由などを今後も丁寧に説明する考えを示しました。

<会見トピックス>
▽安倍元首相国葬

▽古川元官房副長官訃報

▽イギリスの高温ガス炉開発

▽拉致問題

▽月探査用ロケットSLSの打ち上げ延期

会見の概要は以下の通りです。

○松野官房長官
冒頭発言はございません。

――国葬について。

国葬の企画・演出業務を東京のイベント会社「ムラヤマ」が落札した件で、入札に参加した社が同社のみであった経緯が不透明だとの指摘が出ています。

過去に桜を見る会での入札で、入札前に内閣府と打合わせしていた問題が背景にありますが、政府として国民にどのように理解を求めていく考えか伺います。

○松野官房長官
午前中も、申し上げた通り、安倍元総理の国葬儀の企画・演出および警備等の業務については、8月17日に一般競争入札の公告を行い、8月22日に開催した入札説明会の際には、複数の社から参加がありましたが、結果として、9月2日に「ムラヤマ」1社から入札があり、落札が決定したものであります。

今回の入札は、適正の手続きに基づいて行ったものである旨を、今後も説明をしていく考えであります。

――関連。

安倍元首相の国葬の経費について伺う。

岸田首相は8月31日の記者会見でこのように述べている。

「外国要人の数などが具体的に確定してからでないと数字を示せない。できるだけ早く示す努力をする」と述べている。

国葬実施前に示すのか、国葬実施後に示すのかについては明示しなかったが、松野長官はこれまでの記者会見で警備費などは国葬実施後に公表するとの考えを示している。

外国要人や警備体制については、直前に多少の変更が生じる可能性があるが、ある程度の数を見込んで計画を立てているはずで、大まかな警備費や設備経費を国葬実施前でも公表することは可能だと思う。

大まかな額をなぜ国葬実施前に公表しないのか教えてほしい。

また、費用だけでなく警備体制や外国要人の見込みの数字を国葬実施前に公表するかどうかもあわせてお願いする。

○松野官房長官
繰り返し申し上げている通り、先般の閣議において使用を決定した予備費の他、今般の国葬儀に合わせて、過去の葬儀等と同様に、警備や海外要人の接遇に要する費用などが必要となる見込みでありますが、毎年度の予算においては、一般的な警備や外国要人の接遇に要する費用に充てるため、過去の実績等を踏まえ、所要額を計上しており、今般の国葬儀に合わせて必要となる関係経費もその中で対応することとしています。

警備や外国要人の接遇に関する経費の詳細については、現時点で確たることを申し上げられる段階にはありませんが、国葬儀後に精査の上、できる限り速やかにお示しすることとしたいと考えております。

いずれにせよ、国会の場で閉会中審査の形で岸田総理自身が出席し、テレビ入りで国民の皆さんに見える形で国葬儀に関する質疑をお答えをする機会をいただき、政府として丁寧な説明を行いたいと考えています。

――安倍元首相の国葬について。

安倍元総理の国葬の反対や中止を求める約40万人分の署名が先程、内閣府の国葬事務局に提出された。

政府の受け止めと、今後、政府として反対や中止を求める人たちにどのように説明していく考えか。

○松野官房長官
本日、ご指摘の署名が内閣府に提出されたことは承知をしております。

安倍元総理の国葬儀については、個人に対する敬意と弔意を表す儀式を催し、これを国の公式行事として開催し、その場に海外からの参列者の出席を得る形で葬儀を執り行うことが適切であると判断し、実施することとしました。

安倍元総理の国葬儀について、様々なご意見があることは承知をしています。

国葬儀を執り行うこととした理由、国葬儀の実施は国民一人一人に政治的評価や、喪に服することを求めるものではないことなどを、これからも丁寧に説明してまいりたいと考えております。

――村山内閣から小泉内閣まで官房副長官を務められた古川貞二郎氏が亡くなられました。

この古川氏は杉田前副長官に次ぐ在任期間、副長官をつとめてきましたけれども、政府としての所見を伺います。

○松野官房長官
本日未明に古川元官房副長官が都内の病院で亡くなられたとの報には接しています。

古川元官房副長官は、厚生事務次官等の要職を歴任された後、平成7年2月から平成15年9月までの8年7か月の長きにわたり、内閣官房副長官を務められ、その間、内閣危機管理監の設置など、緊急時に官邸主導で対応するための体制整備、縦割り行政による弊害をなくし、内閣機能の強化等を図るための中央省庁再編の実現など、数多くの重要政策の実現に向けた調整にあたり、平成18年の春に旭日大綬章を受章されています。

心から哀悼の意を表したいと思います。

――関連。

古川元副長官との関わりや思い出があれば。

○松野官房長官
私は直接お目にかかったことはありませんけれども、先輩方から古川元官房副長官のお人柄やご実績についてはお話を伺いをしています。

――イギリス政府は、次世代の原子炉として注目されている「高温ガス炉」の開発事業者に、日本原子力研究開発機構などの日英合同チームを選定したと発表し、原子力研究開発機構側も先ほど同様の発表を行った。

こうした海外の新型原発の開発に日本の機関が加わる意義について政府の見解を伺う。

また、日本も先日GX会議で、岸田総理が次世代型原子炉の建設を検討することを発表している。

今回の「高温ガス炉」も、日本政府が検討する次世代型原子炉の一つですが、今回のイギリスの計画への参加が今後の政府の採用する次世代型原子炉の方針あたえる影響はあるのか。

○松野官房長官
今回、英国政府が進める高温ガス炉の開発プロジェクトのパートナー候補として、日本原子力研究開発機構が参画するグループが選定されたことは承知をしております。

原子力については、将来に向けた研究開発や、人材育成を国際協力を通じて進めていくこととしています。

今回、我が国が有する技術が評価され、英国との協力が進んでいくことを歓迎をしたいと思います。

原子力政策のあり方については、先月24日のGX実行会議において、総理から指示があったとおり、将来のエネルギー安定供給を再構築するべく、あらゆる選択肢を確保しておく観点から、年内めどに、専門家にしっかりとご議論をいただき、そうした議論を踏まえて政府としての今後の方針を明らかにしていく考えであります。

――拉致問題について伺います。

小泉元首相と北朝鮮の金正日元総書記による平壌での日朝首脳会談から今月17日で20年になります。

拉致問題の解決に向けた現在の政府の取り組みと解決に向けてどのような道筋を描いているかについてお聞かせください。

○松野官房長官
2002年に5人の拉致被害者が帰国されて以来、1人も拉致被害者の帰国も実現せず、いまだに多くの被害者の方々が北朝鮮に取り残されていることは痛恨の極みであります。

政権の最重要課題である拉致問題の解決に向けては何よりもまず、我が国自身が主体的に取り組むことが重要であります。

岸田総理自身、金正恩委員長と直接向き合う決意であり、政府として、北朝鮮に対して拉致問題の解決に向けて様々な形で働き掛けを行うなど、あらゆる努力を行ってきているところであります。

全ての拉致被害者の1日も早い帰国実現に向け、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で行動していく決意であります。

――NASAが3日、燃料注入のトラブルで再延期された月探査用大型ロケットSLSの打ち上げを9月19日以降とすることを明らかにしたアルテミス計画では、日本初の月着陸を目指す「おもてなし」なども相乗りする計画だが、トラブルの解決の進捗によっては10月後半までずれ込む可能性も指摘されている。

そうなると10月3日に予定されているJAXAの若田光一飛行士らをISSに運ぶ打ち上げも関連してくる。

今回の再延期等に関してNASAとの連携や、日本の宇宙開発に及ぼす影響などについての所見を。

○松野官房長官
今回打ち上げられる予定であった新型ロケットは、我が国も参画している持続的な月面探査の実現を目指す、国際宇宙探査計画。

アルテミス計画における最初の打ち上げとなるものでありましたが、8月9日に続いて再度延期となり、残念に考えております。

今後9月19日以降の打ち上げに向けてNASAの準備が着実に進むことを期待をしています。

日本時間の10月4日に予定されている、若田宇宙飛行士が搭乗するロケットの打ち上げについては、別のロケットで行う予定でありますが、米国側とよく連携しつつ進めていく考えであります。

いずれにせよ、我が国としてNASAとの協力を進め、我が国の宇宙先進国としてのプレゼンスを発揮しつつ政府を挙げて、我が国にとって意義ある取り組みを戦略的、効率的に進めていく考えであります。

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