【全文】安保戦略等改定「あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討」松野官房長官(9/2午前)
新たな国家安全保障戦略等の策定に向けて行った有識者ヒアリングについて、松野官房長官は、2日午前の会見で「指摘等も踏まえ、いわゆる反撃能力も含め、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討していく」と述べました。
<会見トピックス>
▽円安
▽新型コロナ全数把握見直し
▽統一地方選の日程
▽安保関連3文書の改定
会見の概要は以下の通りです。
○松野官房長官
閣議の概要について申し上げます。
一般案件等6件、政令、人事が決定をされました。
大臣発言として、教育未来創造担当大臣から教育未来創造会議の我が国の未来を牽引する大学等と社会の在り方についての工程表についてご発言がありました。
岸田総理は、諸般の事情が許せば、あさって9月4日に新潟県を訪問する予定です。
具体的には、大雨の被災地である村上市を訪問し、土石流被害の地域などを視察されるとともに、新潟市内の農業法人を訪問し、農業施設の視察や農業、小売業等の事業所の方々と車座対話を行う予定であります。
今後とも現場に足を運び、現場の声を丁寧に聞き、その内容をふまえて政策に反映をしていきたいと考えております。
私からは以上です。
――円安についてお伺いします。
1日の外国為替市場の円相場は 1ドル 140円台をつけ、1998 年 8 月以来 24 年ぶりの円安ドル高水準を更新しました。
FRBは積極的な利上げを継続し、日米金利差が拡大するとの観測から円売りドル買いが優勢となった形ですが、政府の受け止めと今後の対応を伺います。
○松野官房長官
為替レートは、様々な要因により決定されるものであり、日々の動きについて、逐一コメントすることは差し控えたいと思いますが、為替相場はファンダメンタルズに沿って安定的に推移することが重要であり、急速な変動は望ましくないと考えています。
最近の為替市場では相場の変動が高まっており、政府としては為替市場の動向を、高い緊張感をもって注視をしていく考えであります。
――新型コロナ感染者の全数把握の見直しについて。
詳しい報告の対象を限定する運用が今日から四つの県で始まる。
どのような運用を目指していくか。
また全国知事会は全国一律への見直しをする場合、詳細な報告の対象外となる患者の相談体制の整備や自宅療養者への物資支給などの支援に万全を期すよう求める緊急提言をまとめた。
こうした意見にどう応え、どのように全国一律の見直しを進めていく方針か。
○松野官房長官
8月25日に緊急避難的な対応として発熱外来や保健所の業務が極めて切迫した地域においては、都道府県知事の届け出により発生届を重症化リスクのある方に限定することを可能としました。
これを受け、届け出のあった4自治体については本日から運用が開始されることになります。
この取り組みにより、現場の負担軽減に繋がり、重傷者を守る取り組みに集中できるようになると期待をしています。
引き続き、各自治体の現場の意見をよく踏まえながら十分な周知と円滑な施行に努めてまいりたいと考えており、また昨日、全国知事会において全国一律での発生届の見直し等に関し、提言がまとめられたことは承知をしております。
政府としては感染状況や変異株の発生動向に細心の注意を払いつつ、ウィズコロナに向けた新たな段階への移行に向け、発生届の全国一律のシステムへの移行、陽性者の隔離期間の短縮、新たな療養体制などについて検討を進めていきたいと考えています。
検討にあたっては、全国知事会等のご意見を踏まえ、引き続き丁寧に対応していく考えであります。
――全数把握見直しの関連で伺う。
大阪府の吉村知事は、9月下旬までに重症化リスクが低い人への対応などの課題を大阪府で整理した上で、全数把握を簡略化する考えを表明した。
大阪独自の運用をすることについて政府の受け止めと、それぞれの都道府県が独自でやり方を変えることによるデータの蓄積や分析などへの影響をどう考えているのか。
○松野官房長官
大阪府が全数届け出の見直しを表明されたことは承知をしています。
現時点において、その具体的な内容を承知をしていないため、陽性者数の把握などへの影響についてコメントは差し控えますが、引き続き、大阪府をはじめ都道府県とも緊密に連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
――来年春の統一地方選挙についてお伺いします。
一部報道で、日程について前半戦を4月9日、後半戦は4月23日に行うとあります。
政府における検討状況をお聞かせください。
○松野官房長官
現在、来春の統一地方選に向けた地方公共団体の議会の議員および長の選挙規律等の臨時特例に関する法律案について検討を進めているところであります。
お尋ねの日程につきましても現在検討中であります。
――国家安全保障戦略などの改定に向けて政府が有識者に行ってきたヒアリングの概要が公表されました。
いわゆる反撃能力の保有については、有識者の中でも賛否がわかれていましたが、こうした意見を今後どのように文書改定作業に反映していくのか、スケジュール感もあわせてお願いします。
○松野官房長官
昨日、新たな国家安全保障戦略等の策定に向けて、国家安全保障局、外務省、防衛省等の関係者が実施していた有識者との意見交換の議論の要旨を公表しました。
新たな国家安全保障戦略等の策定に向けた具体的な日程は調整中でありますが、今回のヒアリングで有識者の方々から頂いたご指摘等も踏まえ、いわゆる反撃能力も含め、あらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討していく考えであります。