【全文】安倍元首相“国葬”警備・接遇費用「国葬後に精査した上で示したい」 官房長官会見(8/30午前)
松野官房長官は30日の会見で、安倍元首相の国葬をめぐり、警備や海外要人の接遇などにかかる経費について、現時点では「国外から参列される接遇を要する要人の数、各国首脳との会談の有無等が不確定」などとして、国葬後に明らかにする考えを示しました。
<会見トピックス>
▽G7関係閣僚会合
▽オミクロン株対応ワクチン
▽安倍元首相の国葬
▽全数把握の見直し
▽BA.5対策強化宣言の効果
▽臨時国会召集時期
会見の概要は以下の通りです。
○松野官房長官
閣議の概要について申し上げます。
一般案件と3件政令人事が決定されました。
大臣発言として総務大臣から労働力調査結果について。
厚生労働大臣から有効求人倍率について。
外務大臣からG7外務大臣会合の開催について。
財務大臣からG7財務大臣中央銀行総裁会議の開催について。
文部科学大臣から文化審議会委員の人事について。
岸田総理大臣から海外出張不在中の臨時代理等について。
それぞれご発言があり、私からG7広島サミットに関わる、関係閣僚会合の開催について申し上げました。
次に、来年のG7広島サミットに関わる関係閣僚会合について、これまで検討を進めてまいりましたが、今般、外務大臣会合を長野県軽井沢町において財務大臣中央銀行総裁会議を新潟県新潟市において、それぞれ開催することを政府において決定し、その旨先ほど閣議で私から発言をいたしました。
またその他の関係閣僚会合については国際社会が直面する諸課題を踏まえ、次に述べる会合を開催することとし、外務財務大臣会合と合わせて14の閣僚会合を開催をいたします。
科学技術大臣会合、男女共同参画女性活躍担当大臣会合、内務安全担当大臣会合、デジタル技術大臣会合、貿易大臣会合、教育大臣会合、保健大臣会合、労働雇用大臣会合、農業大臣会合、気候エネルギー環境大臣会合、交通大臣会合、都市大臣会合。
それぞれの開催地については引き続き所要の調整を行い、来月のしかるべき時期に決定公表する考えです。
次に私が議長を務めるALPS処理水の処分に関する基本方針の着実な実行に向けた関係閣僚等会議において、対策の強化拡充の考え方とそれを踏まえて改定した行動計画を取りまとめました。
今回の取りまとめにはさまざまな方との意見交換などを通じて得られたご意見を踏まえ、特に風評影響の払拭に向けて、徹底した安全性の担保とその見える化。
全国大での安全安心の理解醸成。
事業者が安心して事業継続拡充できると確信を深められるための支援。
放出前後を通じ、変わらずに地元産品の取引が継続される体制の構築などの対策に取り組んでまいります。
政府一丸となって今回取りまとめた対策を早急かつ着実に進めてまいります。
私からは以上です。
――G7の関係閣僚会議について。
今回外相会合は軽井沢、財務相中央銀行総裁会議を新潟に決めた理由をお伺いします。
また、他の関係閣僚会合については、いつごろをめどに決定する方針なのか。
○松野官房長官
開催地選定にあたっては、誘致に名乗りを上げてこられた自治体の中から関係省庁及び自治体の希望、会場、宿舎、警備などのさまざまな観点から総合的に検討し、政府として決定したものであります。
他の12の閣僚会合についても、そうしたさまざまな観点から総合的に検討し、引き続き所要の調整の上、冒頭申し上げました通り、来月のしかるべき時期に決定公表する考えであります。
――G7の関連。
閣僚会議では警備体制も課題となるが、政府としてどのように取り組むか。
○松野官房長官
G7広島サミットはもとより、関係閣僚会合を支障なく開催するためには会場周辺の安全の確保、来日する要人の警護等の警備措置が重要であることは言うまでもありません。
特に警護については、先般、警察庁における検証見直しにより抜本的な見直しが打ち出されたところであります。
来年のサミットや関係閣僚会合についても、こうした見直しが反映されることになると承知をしております。
その他、警察当局においてサミットに関係する情報収集分析。
各会場周辺での警戒警備の実施などが行われていくことになるものと承知をしております。
サミット開催国の責任として政府を挙げて、警備諸対策の推進に万全を期してまいりたいと考えております。
――政府は「オミクロン株」に対応した新たなワクチンについて、10月半ばを想定していた接種開始を9月中に前倒しする方向で調整に入ったということだが、接種対象も含めて政府の現在の検討状況は。
○松野官房長官
オミクロン株対応ワクチンの接種については、8月8日に開催された厚生労働省の審議会において、1、2回目接種を完了した全ての者を対象として今年10月半ば以降、接種を開始することを想定して準備を進めることとされたところであります。
政府としては引き続き製薬企業等とも調整を進め、できるだけ早い段階で接種を開始できるよう取り組んでいます。
具体的な接種対象者等については、厚生労働省の審議会において今後、議論がなされた上で決定していくものと承知をしております。
――国葬について。
立憲民主党の安住国対委員長は昨日、自民党の高木国対委員長と会談し、国葬に関する閉会中審査に岸田総理の出席を求めたが、これについてどのように対応する考えか。
またこの件について、総理が自ら説明する機会を設ける考えはあるのか。
○松野官房長官
国葬儀について、国会での具体的な取り扱いについては、国会でお決めをいただくことと考えています。
政府としてはこれまでも丁寧な説明に努めてきたところでありますが、総理自身も明日自宅療養期間の終了に合わせ会見を開催する予定と聞いており、こうした様々な機会を通じて、国民に説明をされたいお考えであると承知をしております。
――野党は警察の警護費用や外務省の接遇に関する費用も合わせて公表すべきだというふうに主張している。
予備費2.5億円以外の部分も合わせて公表する考えはあるか。
○松野官房長官
国葬儀にかかる経費については8月26日の閣議において、式典にかかる経費として令和4年度一般会計予備費の使用を決定したところであります。
また国内外の要人が参列される式典でもあり、その警戒警備に要する経費、海外要人の接遇に要する経費が見込まれます。
警備経費の見込みについては、国内外からの参列される警護を要する要人の数、他の府県警察からの特別派遣部隊を含め警戒警備に当たる部隊の規模、接遇経費の見込みについては国外からの参列される接遇を要する要人の数、各国首脳との媒介団の有無等が不確定であることから、現時点で確たることを申し上げられる段階になく、その状況に応じて規定予算で対応することになるため、要した経費については国葬儀後に精査した上でお示しをすることとしたいと考えております。
――新型コロナ。
全数把握の見直しについて。
政府は詳しい報告対象を高齢者などに限定できる方針を示したが、昨日夕方までに見直しの申請を行ったのは四つの県にとどまっていて混乱も指摘されている。
また一部では、全数把握を見直すと、軽症者の方は患者としてカウントされなくなるのではないかという指摘もあるが、政府としての考えを伺う。
○松野官房長官
発生届の対象者の見直しについては専門家の意見を踏まえ、ウィズコロナに向けた新たな段階への移行策の一つとして進めるものであり、もとより全国一律で導入することを基本として考えています。
他方で、全国一律での導入にあたっては、発生届の対象外となる若い軽症者の方々が安心して自宅療養できるための検査キットのOTC化や健康フォローアップセンターの全都道府県での整備が必要であるほか、発生届に代わり軽症者を含めた総数を把握するためのシステム改修など必要な環境整備に一定の時間を要するものであります。
こうした整備を現在進めており、感染状況の推移を見た上でウィズコロナに向けた新たな段階として全国一律のシステムに移行していきたいと考えています。
その上で、全国知事会や医療関係者から速やかな見直しを求める強い要望があることから、足元の緊急避難措置として、地域の感染状況に応じて発熱外来や保健所業務が相当に切迫した地域については、自治体の判断によって、全国一律でのシステム移行を待つことなく前倒しで柔軟に対応することを可能としたところであります。
今後全国ベースでの見直しについても、感染状況や変異株の発生動向に細心の注意を払いつつ、ウィズコロナに向けて新たな段階への移行に向け、適切なタイミングでお示しをすることとしており、専門家等のご意見を伺いながら検討してまいりたいと考えております。
若い軽症者について発生届の対象外とする場合であっても、感染動向を把握するための定点報告の仕組みを検討するとともに、それが導入されるまでの間、医療機関や健康フォローアップセンターから都道府県に対して患者の総数を日々報告していただくことから、引き続き、若い軽症者を含めた新規陽性者の人数を把握することが可能となると考えております。
――新型コロナ対策について。
政府が導入した BA .5 対策強化宣言について、その効果を疑問視する声などから発出する自治体とそうではない自治体で対応が割れています。
これまでのこの宣言の効果をどう評価し、今後の取り扱いについて何か改善する考えはあるのか。
○松野官房長官
BA .5対策強化宣言は、住民や事業者への協力要請や呼び掛けを強化する都道府県の宣言に基づき社会経済活動を維持しながら、BA .5対策に取り組む都道府県の取り組みを国が支援するものであります。
政府としては本日までに27の都道府県をBA .5対策強化地域に位置付けました。
これらの都道府県ではこれまでの対策を強化して新たな取り組みを実施しているほか、政府とも緊密に連携し、先進的な取り組み事例の共有や感染対策保健医療体制の確保に関する政府との意見交換を実施をしています。
地域によって感染状況が異なる中で、現場をよく知る都道府県知事が、地域の実情に応じたきめ細かい対策を一つ一つ推進し、それを国が支援をしていくことで感染拡大防止に効果があるものと考えています。
引き続きできる限り社会経済活動の維持と医療逼迫の回避を両立できるよう、地域の実情をよく知る都道府県知事と連携しつつ適切に対応してまいりたいと考えております。
――国葬について、知事や都道府県会議長の出席を求めるか。
また、現在検討中なら、いつまでに出席者を含めた国葬の詳細を決めるのか。
○松野官房長官
安倍元総理の国葬儀に必要な経費について、8月26日の閣議で、令和4年度一般会計予備費の使用を決定したことは先ほど申し上げた通りであります。
予備費の積算に当たっては最大で6,000人程度の規模を見込んでいます。
そのほか、案内状送付する範囲を含め、式典の詳細については現在検討しているところであり、決定次第速やかにお知らせをしたいと考えております。
いずれにせよ、厳粛かつ心のこもった国葬儀となるよう、鋭意準備を進めてまいりたいと考えております。
――臨時国会について。
野党は早期の臨時国会を求め続けている。
政府は旧統一教会の問題や、国葬への反対論、コロナの感染拡大などの課題を抱えているが、岸田首相が自ら国会で国民に向けて取り組みを説明する必要があると考えているのか、政府として召集のタイミングをどう判断するのか。
○松野官房長官
野党側から8月18日に憲法53条後段に基づく臨時国会召集要求が提出されたことは承知をしております。
政府としては国会のことでもあるので、与党ともよくご相談して対応してまいりたいと考えております。
――軽井沢町での外相会談について。
長野県軽井沢町は環境大臣会合などの開催を希望していたが、外相会談開催の決め手は何か。
軽井沢町で開く意義についても聞かせてほしい。
○松野官房長官
開催地の選定に当たりましては、これも先ほど申し上げましたけれども、立候補した全ての候補地について宿泊施設、会議場、交通アクセス、警備などあらゆる観点から総合的に検討を行い決定したものであります。