銃撃事件きっかけに“統一教会”被害相談が急増 脱会相談も 献金は「孫の育児手当」まで…
東京都内で27日、「世界平和統一家庭連合」いわゆる“統一教会”の現役信者やその家族ら約40人が、脱会などをめぐる相談会に参加しました。その中には、母が「コロナの給付金まで献金しよう」としたという元2世信者や、脱会したいという現役信者の姿も…。
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27日、都内で行われていたのは、いわゆる“統一教会”からの被害を訴える人たちの相談会です。
元2世信者の男性は、母親の最近の献金について――
元2世信者(20代)
「母が祖母に対して、新型コロナウイルスの給付金10万円。そのうちのいくらかを献金しようということを、強く言い寄ったそうなんですね。その話を聞いたときに怒りに震えて」
相談会を主催する「全国統一教会被害者家族の会」によると、安倍元首相の銃撃事件以降、こういった被害相談が急増しているといいます。事件前の6月には8件だった相談件数は、事件が起きた7月には94件、今月はすでに100件を超えているといいます。
この日は、「脱会したい」と相談に訪れた現役信者の姿も見られました。
現役信者の女性
「脱会するきっかけがほしかった。(安倍元首相の)事件があって、それが私のきっかけだった」
20年以上信仰を続けているという女性は、教団からの止まらない献金の要求に、不信感が強くなったといいます。
現役信者の女性
「最初に教会に行ったときは『あなたは、お金出せるの?』『いくらあるの? 貯金いくらあるの?』って、初めて会った人に金・金・金・金だった。最近は、孫の育児手当みたいな、15歳までの『あのお金ももってこい』って言い出したんですよ」
一方で、脱会による不安も…
現役信者の女性
「脱会したときにどういう仕打ちがくるんだろうって心配で、相談に来た」
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29日、「90年代に両親が入信した」という男性に話を聞きました。
両親が過去に入信
「“統一教会”は、取り込めるものはどんどん取り込もうと思ってる。ほっとけばいつかやめてくれる、そんなものじゃない」
父親の死をきっかけに、母親を脱会させるべく動いたといいます。
両親が過去に入信
「マインドコントロールにあると、自分で何かを判断したり、自分で考えないようになる。カウンセラーに来てもらって、最初はカウンセラーにも慇懃(いんぎん)無礼な対応だったけど、子供たちが信頼しているのが分かってほぐれてきて、3週間くらいで母も間違いに気づいて、『これはおかしい』と思い至って脱会できた」
この経験をきっかけに、男性は弁護士に転身し、現在、被害者の救済を行っています。最近の教団について男性は――
両親が過去に入信
「『コンプライアンス宣言』と言いながら、献金を、霊感商法しにくくなったから、既存信者から搾り取る、深追いする」
現役信者の家族に対しては――
両親が過去に入信
「ともかく否定して、教団に否定的なこと言って引き離すことは逆効果。まずは冷静になって事態を受け止めて、情報を集めていただきたい」
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こうした中、29日夕方、霊感商法などの対策を話し合う、消費者庁の「“霊感商法”対策検討会」の初会合が行われ、YouTubeでも生配信されました。
河野消費者相
「境界を定めずに、ご自由にご議論いただきたい」
メンバーの1人である紀藤正樹弁護士は、被害者の“相談窓口”について――
“霊感商法”対策検討会 紀藤正樹弁護士
「こういう(相談)窓口自体がカルト側から見ると、サタン“悪魔側の窓口”と言われること多い。中立的な相談窓口ないと、結局、相談してくれない。そういう窓口の設置方法も含めて、検討していただきたい」
検討会は今後、省庁の枠組みを超えて問題解決していきたいとしています。
(8月29日放送『news zero』より)