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【全文】新型コロナ水際対策「さらに緩和進める」 松野長官会見(8/25午前)

2022年8月25日 13:47
【全文】新型コロナ水際対策「さらに緩和進める」 松野長官会見(8/25午前)

松野官房長官は、25日の会見で、新型コロナウイルスの水際対策について、「G7並みの円滑な入国が可能となるよう、入国者総数の上限等について、さらに緩和を進める」と述べました。

<会見トピックス>
▽新型コロナ水際措置

▽安倍元首相の国葬

▽新型コロナ“全数把握”見直し

▽沖縄県知事選

▽防衛費に関する有識者会議

会見の概要は以下の通りです。

○松野官房長官
新型コロナに関わる水際措置の見直しについて申し上げます。

水際対策については、感染拡大の防止と社会経済活動のバランスをとりながら、段階的な緩和を進めることとしています。

G7各国では、国内において行動制限をほとんど行っておらず、こうした国内対応に合わせて水際措置についても、英国、フランス、イタリアでは全面的に撤廃をされ、米国、カナダ、ドイツでもごく一部の措置に限るなど、大幅に緩和されてきています。

こうした中で日本から海外に渡航をされた方々が、帰国時の陰性証明書の取得に不便が生じている状況にあります。

このような状況を踏まえ、引き続き感染状況を注視しつつ着実に社会経済活動を回復していく観点から、昨日、岸田総理が発表された通り、関係のシステム整備等を行った上で、9月7日以降に入国する方を対象に、ワクチン3回接種完了者に対しては出国前検査の陰性証明書の提出を求めないことといたします。

今後、水際対策については、内外のニーズや感染状況、主要国の水際措置の状況等を踏まえながら、G7並みの円滑な入国が可能となるよう入国者総数の上限等についてさらに緩和を進めてまいります。

当然のことながら、新たにWHOで懸念すべき変異株として指定されるような事態が発生する場合には、これに機動的に対処してまいります。

私からは以上です。

――安倍元首相の国葬についてお伺いします。

国葬の規模や費用について6400人、2.5億円という報道があります。

これらに関する政府の検討状況をお伺いします。

また費用の閣議決定はいつごろになるのか。

費用に対する政府の考え方も含めてお伺いします。

○松野官房長官
安倍元総理の国葬儀については9月27日に執り行うべく、その具体的内容について現在検討しているところであります。

また国葬儀のため必要な経費は国費で支弁することとしており、これまでの葬儀の例と同様に一般予備費の使用を想定をしています。

詳細は現在検討しているところでありますが、真に必要な経費となりを務めてまいります。

いずれにせよ厳粛かつ心のこもった国葬儀となるよう鋭意準備を進めてまいりたいと考えております。

――今と関連しまして、国葬に関わる新型コロナ対策についてお聞きします。

冒頭、長官からもご説明ありましたが、海外からの参列者に対する空港の検疫や会場での感染防止について、どう対策を行うお考えでしょうか。

また、国民は特に、空港での検疫は非常に気になるところだと思いますけれども、国葬時の新型コロナ対策の詳細を、事前に国民にお伝えするお考えがあるのか教えてください。

○松野官房長官
空港検疫や会場での感染防止対策も含めた国葬儀の具体的な内容や、国民への情報提供のあり方については、現在検討しているところでありますが、その実施に当たっては、入場時のアルコール消毒や検温などの感染防止対策を講じ、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期していくこととしています。

――話題変わりまして、ロシア極東の石油天然ガス開発プロジェクト・サハリン2について伺います。

三井物産と三菱商事はロシア政府が今月設立した新会社の株式を取得し、参画する方針を固めました。

政府としても参画を要請してきたわけですけれども、把握している情報と受けとめを伺います。

○松野官房長官
三井物産と三菱商事が正式に同意の意向を固めたことは承知をしています。

今後両社からロシア政府に対して新会社への参画同意の申請を行い、その後、ロシア政府が参画を認めるか否か判断することになると承知をしております。

引き続き状況を注視をし、LNGの安定供給に万全を期していきたいと考えております。

――コロナの全数把握について。

昨日、総理が見直しを表明しましたが、知事からは歓迎の声がある一方、「県によってまちまちだと全体がつかめない」など批判的な指摘も出ています。

国としては、全国知事会の要望も踏まえてきた経緯がある中で、はしごを外されたという思いもあるかもしれませんが、受け止めや今度の対応についてお願いします。

○松野官房長官
今般の全数把握の見直しについて、様々なご意見が寄せられていることは承知をしております。

この全数把握の見直しについては、現在多くの地域で高い感染レベルが続いていることを踏まえ、足元の感染状況に対応し、医療機関や保健所等が高齢者等の重症化リスクの高い方への対応に集中できるよう、医療機関や保健所等に対する、さらなる負担軽減策の一つとして緊急的に講じたものであります。

一方、今般の緊急避難的な対応にあたっては、発生届の対象とならない方についても、各自治体において健康フォローアップセンター等の体制整備を確実に実施をしていただくこととしており、保健医療提供体制の確保に引き続き取り組むこと明記をしています。

本日も厚生労働省において、自治体向けの説明会が開催されると聞いていますが、引き続き、関係者の意見を丁寧に聞きながら円滑な施行に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

その上で全国ベースでの全数届け出の見直しなど、ウィズコロナに向けた新たな段階への移行については感染状況の推移をしっかりと見た上で、できるだけ速やかに対応したいと考えております。

――任期満了に伴う沖縄県知事選が今日告示された。

政府は米軍普天間飛行場の名護市の辺野古移設を推進しており、その是非が焦点になる。

政府として知事選をどう位置付けているか。

○松野官房長官
沖縄県知事選挙は、県民の皆さまが沖縄県の抱える様々な課題をめぐってご判断をされる機会であると認識をしており、政府としてコメントは差し控えたいと思います。

その上で申し上げれば日米同盟の抑止力の維持と普天間飛行場の危険性の除去を考え合わせた時、辺野古移設が唯一の解決策であり、この方針に基づいて着実に工事を進めていくことこそが普天間飛行場の1日も早い全面返還を実現をし、その危険性を除去することに繋がるとの考えに変わりはありません。

今後とも沖縄県や地元自治体をはじめとする地元の皆さまのご理解を得る努力を続けながら沖縄の基地負担軽減を図るため全力で取り組んでまいりたいと考えております。

――防衛費に関する有識者会議について伺う。

政府が防衛費の増額や財源を議論する有識者会議を新設し、9月にも初会合を開くとの報道がある。

設置に向けた調整状況を教えてください。

もし、設置が決まっているのであればメンバー構成や会議を設置する狙いについてもあわせて教えてください。

○松野官房長官
ご指摘の報道は承知をしていますが、政府部内における検討状況について、逐一コメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。

その上で防衛力の強化に向けては、総理も述べられている通り、必要となる防衛力の内容の検討、そのための予算規模の把握、財源の確保を一体的かつ強力に進めていく考えであります。

その際、国民的な議論をしっかりと積み上げていくことは重要であると考えています。

――原子力発電について伺います。

岸田総理は昨日、次世代原子炉の建設などを検討することを明らかにしました。

「心強い」などと評価する声の一方、「唐突感が拭えない」などと批判的な意見もあります。

こうした声にどのように応え、どんな検討を進めていくか。

お伺いをします。

また、政府はこれまで原発の新増設は想定していないとしてきましたが、その方針を転換したというなのか、あわせて伺います。

○松野官房長官
昨今のエネルギーをめぐる内外の情勢変化を踏まえれば、国民生活や産業の基盤となるエネルギーを安定的に供給する体制を万全なものにしていく必要があります。

このため、将来にわたって我が国のエネルギー安定供給を再構築するべく、あらゆる選択肢を確保していくことが極めて重要であります。

こうした観点から原子力についても、次世代革新炉の開発、建設を含め、あらゆる選択肢を排除することなく検討していく必要があります。

その際これまでと同様に安全性の確保を大前提とすることは当然であります。

原子力発電については、様々なご意見があることは承知をしており、具体的な検討内容については今後、経済産業省資源エネルギー庁の審議会を中心に、専門家のご意見を伺いながら検討していくものと承知をしております。

昨日の総理発言は、中長期的なエネルギーの安定供給の再構築に向けて、あらゆる選択肢の検討を進めるという意味であり、いずれせよ、具体的な結論を出せるよう検討を行っていく考えであります。

――冒頭発言の水際対策だが、発言の中で今後の水際対策について、入国者数の上限等についてさらに緩和を進めるということだったが、時期のめどなどは。

○松野官房長官
これも先ほど申し上げた通りでありますが、水際対策については、G7並みの円滑な入国が可能となるよう、新型コロナの内外の感染状況やニーズ、主要国の水際対策の状況等を踏まえながら、段階的に緩和を進めていく方針であります。

入国者総数の上限などについても、検疫体制の整備を進め感染状況等を踏まえながら適切に判断をしていく考えであります。