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【全文】 安倍元首相の国葬、約2.5億で決定 松野長官会見(8/26午前)

2022年8月26日 16:52
【全文】 安倍元首相の国葬、約2.5億で決定 松野長官会見(8/26午前)

松野官房長官は、26日の会見で、安倍元首相の国葬の費用について、けさの閣議で約2億5000万円を支出することを決定したと明らかにしました。

<会見トピックス>
▽安倍元首相の国葬費用

▽NPT再検討会議

会見の概要は以下の通りです。

○松野官房長官
閣議の概要について申し上げます。

一般案件4件、政令、人事が決定されました。

大臣発言として、復興大臣から福島復興再生基本方針の変更について。

経済産業大臣から令和4年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針について。

谷大臣から令和4年度防災の日、総合防災訓練について。

厚生労働大臣から令和4年度自殺予防週間の実施について。

文部科学大臣から国立大学法人の長の人事について。

岸田総理大臣から海外出張不在中の臨時代理等について。

それぞれご発言がありました。

閣僚懇談会においては、河野大臣から常勤職員と非常勤職員との間の業務分担について、ご発言がありました。

次に、本日の閣議において、故安倍晋三国葬儀に必要な経費について、令和4年度一般会計予備費の使用を決定をしました。

国葬儀については、その実施内容を検討しているところであります。

今般の国葬儀においては、安倍元総理を追悼したいという気持ちをお持ちの方々のために日本武道館とは別の場所に献花台を設け、一般献花を実施すること。

海外から元首、首脳級の方を含む多数の要人の参列が見込まれることから、参列に当たって必要となる同時通訳等に万全を期す必要があること。

会場となる日本武道館には複数の出入り口があり、それぞれに警備員や金属探知機を配置するなど、昨今の状況を踏まえて万全の警備体制を敷く必要があること。

さらに、参列者として最大で6000人程度の規模が見込まれることから、その人数に応じたバスの手配やしおりの準備等が必要となること。

こうしたことから、予備費の使用額は令和2年に行われた中曽根元総理の内閣・自由民主党合同葬から約5,700万円増の約2億4900万円となります。

私からは以上でございます。

――冒頭ご紹介がありました安倍元首相の国葬についてお伺いします。

政府は先ほどの閣議で国費に関する予備費の支出を決められましたが、各社の世論調査では未だに国費に対する賛否が割れております。

政府としてどのように国民に理解を求めていく考えか、お願いします。

○松野官房長官
安倍元総理の国葬儀について様々なご意見があることは承知をしております。

安倍元総理の国葬儀については、憲政史上最長の8年8か月にわたり内閣総理大臣の重責を担ったこと。

選挙運動中での非業の死であったこと。

大きな実績をさまざまな分野で残されたこと。

国内海外から高い評価と幅広い弔意が寄せられており国際儀礼の観点からも国としてお応えする必要があること。

これを国の公式行事として開催をし、その場に海外からの参列者の出席を得る形で葬儀を執り行うことが適切であると判断をしたところであります。

引き続きこうした考え方、また国民一人一人に対して喪に服することや政治的評価を求めるものではないことをしっかりと説明をしてまいりたいと考えております。

――今回の国葬を巡りましては、実績を考えれば開催は当然だとか海外の多くの国が弔意を示しているとか実施に賛成の声がある一方で、一部の専門家からは法的根拠があいまいだ、とか予備費からの支出は財政民主主義の観点からいかがなのか、という指摘も出ている。

こうした声にどう答えていくか。

○松野官房長官
今回の国葬儀の意義につきましては、先ほど申し上げた通りでございますが、今般の国葬儀について7月22日の閣議決定に基づき執り行うこととしております。

国の儀式を内閣が行うことは行政権の作用に含まれており、閣議決定を根拠として国の儀式である国葬儀を行うことは可能であると考えています。

また内閣総理大臣経験者の葬儀のあり方についてはこれまでもその時々の内閣においてさまざまな事情を総合的に勘案し、その都度ふさわしい形を判断をしてきたところであります。

予備費等についてのご質問がありました。

憲法および財政法において、予見しがたい予算の不足に充てるため予備費を支出することができるとされており、これまでの葬儀の例と同様に一般予備費の使用を決定をしたものであります。

――関連して伺います。

本日閣議決定された国葬に必要な一般予備費が2億4900万円ということですが、その詳細な内訳を教えてください。

詳細は明らかにできない場合、その理由もあわせてお願いいたします。

○松野官房長官
冒頭で申し上げた通り、本日の閣議において故安倍晋三国葬儀に必要な経費について令和4年度一般会計予備費の使用決定したところであり、予備費の使用額は約2億4900万円であります。

内訳については、日本武道館で執り行うための会場借り上げ料約0.3億円に加え、会場設営にかかる費用約2.1億円などがかかることとなっています。

会場設営にかかる費用のうち、式段等については、中曽根元総理の内閣・自民党合同葬同様のものを見込んでいます。

一方で、中曽根元総理の合同葬の参列者数は約600人でありましたが、今般の国葬儀は約10倍の最大で6,000人程度の規模を見込んでおり、参列者の増加に伴いバスの手配やしおりの準備と人数の増加に伴って当然増える経費があること。

参列者の規模に見合った会場として日本武道館で行うため会場にある複数の出入り口に警備員や金属探知機を配置する必要があること。

参列者の中には外国からの要人も多数含まれるため、人数に見合った同時通訳等の手配が必要になること。

参列者ではありませんが、安倍元総理を追悼したいという気持ちをお持ちの方々にご参加をいただくため場外での一般献花を実施することなど参列者等の増加に伴い約5,700万円の増加が必要となったものであります。

――関連で伺います。

招待状を送る人数については先ほど紹介があった6000人程度でいいのかということと、招待状の送付する時期、また、式典の開始の時間や式次第の現在の検討状況について、また、いつまでに決定するのかあわせて教えてください。

○松野官房長官
今の詳細につきましては検討、調整中でございます。

先ほど申し上げました通り最大で約6,000人程度の規模ということで、招待者数に関しましても、最大数がその程度と見込んでおりますので、それを踏まえて今後お招き、ご招待する方々に関してのリストを作っていくということになるかと思います。

――中曽根元首相の合同葬では政府から関係機関に弔意表明を求める閣議了解を行ったが、今回の国葬でも同様の対応をとるのか。

○松野官房長官
令和2年に行った中曽根元総理の内閣・自民党合同葬の際には、国において弔意表明を行う閣議了解を行うとともに、国から地方公共団体や教育委員会等の関係機関に対し弔意表明の協力を要望したところであります。

一方で今般の国葬儀の実施に当たっては、国民一人一人に弔意を求めるものであるとの誤解を招くことがないよう国において閣議了解は行わず、地方公共団体や教育委員会等の関係機関に対する弔意表明の協力の要望も行う予定はありません。

――国葬費用の関係に戻る。

ネット上では警備費用も加えれば費用は総額37億円程度になるというような情報も拡散している。

政府内にはそうした試算があるのか。

○松野官房長官
本日了解を得ました予備費の使用額に関しては先ほど申し上げた通りでございます。

今般の国葬儀の実施に当たりましては、国際社会から寄せられた多くの弔意に対して日本国として礼節をもって丁寧にお答えすることも重要と考えておりまして、一定数の海外からの要人の参列を見込む必要があり、また国内の立法、行政、司法関係者、地方公共団体の代表、民間等各界の代表を考えれば、先ほど申し上げた通り最大で6000人規模を見込んでいるところでございます。

今ご指摘の金額というのが、どういった性質ものであるか承知をしておりませんが、現在、決定をし、また検討しているというのは申し上げた通りの内容についてでございます。

――今の質問に関連、今回の金額で、フィックスなのか、今後さらにその警備に必要な費用とかが出されて、金額はこの後実施までに増える可能性あるということなのか。

○松野官房長官
先ほど申し上げました通り、最大で約6000人程度までということをもとにして、今回の予備費について算出をしておりますので、その範囲内において行われるものと考えております。

――警察官の警備が行われると思いますが、その警備費用というのは、その2億4900万円の中に含まれないのかどうかを伺いたいのと、それが含まれないのだとしたら、なぜ別途警備費を枠外に作るのか、その理由も教えてください。

○松野官房長官
予備費以外にかかる経費として国内外の要人が参列する式典であることから、その警戒警備に要する経費、海外要人の接遇に要する経費が見込まれます。

これらの経費については、状況に応じて既定予算で対応していくこととなると考えております。

――先ほどの国葬での弔意表明に関連して伺います。

まず1967年に行った吉田茂元首相の国葬では、各省庁や省庁以外の弔旗掲揚や黙祷についてはどのように対応したのか教えてください。

そのうえで今回の国葬では弔旗掲揚や黙祷についてどのように対応するか改めて確認させてください。

○松野官房長官
吉田元総理の国葬儀に際しての弔慰表明については、各省庁において弔旗を掲揚すること。

葬儀中の一定時刻に黙とうすること。

各省庁の長は、当日午後は公務に支障のない範囲内において、職員が勤務しないことを認めることができること、公の行事・儀式その他音楽曲を伴う行事は差し控えること、以上の各項について各公所、学校、会社、その他一般においても同様の方法により、哀悼の意を表するよう、協力方を要望することについて閣議了解がなされたものと承知をしております。

一方で今般の国葬儀の実施に当たっては、国民一人一人に弔意を求めるものであるとの誤解を招くことがないよう、国において、閣議了解を行わず、地方公共団体や教育委員会等の関係機関に対する弔意表明の協力方の要望も行う予定はありません。

――確認ですが、国葬当日に各府省庁で弔旗掲揚を行うのかどうか。

そこは決まっているのでしょうか。

○松野官房長官
今詳細につきましてはですね、検討中でございます。

また方向が決定次第、お示しをさせていただきたいと思います。

――アメリカ・ニューヨークで開催中のNPT運用検討会議について伺います。

会期末が日本時間27日に迫る中で、最終合意書案から核兵器の先制不使用の文言が削除されました。

過去の会見で長官は全ての保有国が同時に行われれば有意義ではないかと言及していますが、今回の会議は米国や中国、ロシアなど核保有5大国が揃っています。

今回の会議での合意が有効だったのではないかと考えておりますけども、政府としても先制不使用の文言が削除されたことをどう受け止めますか。

○松野官房長官
NPT運用検討会議においては、会議の終盤を迎えて、現在まさに各国間で交渉が行われており、ご指摘の点も含め会議の議論の状況についてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。

その上で申し上げればNPTは核兵器国と非核兵器国の双方が参加をする国際的な核軍縮不拡散体制の礎石であります。

今回の会議においても国際社会が結束をし、NPTの維持強化を図るべく、国際社会のコミットメントを再確認することが重要であります。

現在は岸田総理の指示を踏まえ、武井外務副大臣が現地入りするなどしているところであり、引き続き、政府として力を尽くすとともに関係国と連携し、全締約国の建設的な対応を最後まで呼び掛けていく考えであります。

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