【全文】公明幹部から山際氏への"苦言"「政治家としての責任で適切に説明すべき」松野長官会見(9/1午後)
いわゆる統一教会をめぐる山際経済再生担当相の対応について公明党の北側副代表が「説明責任を果たしてほしい」と求めた。
1日午後の会見で、この事について問われた松野官房長官は「それぞれの政治家としての責任において適切に説明すべき」と述べるにとどめました。
<会見トピックス>
▽"統一教会"をめぐる調査
▽為替相場
▽安倍元首相の国葬
▽橋本科学技術顧問等の人事
▽東京五輪・パラリンピックめぐる汚職事件
▽新型コロナ関係閣僚会議
▽"台湾有事"めぐる麻生副総裁発言
▽岸田首相療養中のテレワーク
会見の概要は以下の通りです。
○松野官房長官
私からの冒頭発言はございません。
――統一教会についてお伺いします。
公明の北側中央幹事会長が記者会見で教団側との関係が指摘されてる山際大臣について、しっかり説明責任を果たしてほしいと苦言を呈しました。
山際大臣は関連団体のイベントに出席したとの一部報道について、「明確に覚えていないが報道を見る限り出席したと考えるのが自然だと思う」と話し、曖昧な回答だったとの指摘も出ています。
北側会長の発言の受け止めと、山際大臣の求める対応について、政府としての見解を教えてください。
○松野官房長官
旧統一教会との関係については、総理から各閣僚等に対し、それぞれ点検し、厳正に見直すことを指示しているところであり、その結果についてはそれぞれの政治家としての責任において適切に説明すべきものと考えています。
――関連ですが、旧統一教会につきまして、昨日の総理会見で、自民党総裁として茂木幹事長に対し、先週来、3点指示したと発言された。
幹事長が行っている所属国会議員への調査票に、肝心の旧統一教会に関係のある秘書を受け入れているかどうかの項目がない。
以前から自民党には旧統一教会の信者が秘書として派遣されたケースが数多くあると言われている中、秘書問題を把握せずして、関係を絶つことはできるとお考えでしょうか。
この点をお聞きしたいのと、調査票の回答の締め切りは明日だが、総理自らこの点を項目に入れるよう、自民党に再度指示するお考えについて教えてください。
○松野官房長官
自民党のことについて政府の立場からお答えをすることは差し控えさせていただきたいと思います。
――為替の動きについての受け止めと、昨日総理は会見で円安メリットをいかす観点から、水際対策を緩和すると表明しましたが、円安環境が長引く中で、政府として他に円安メリットをいかす政策を検討する考えはあるか
○松野官房長官
日々の動きについて逐一コメントすることは差し控えたいと思いますが、為替相場ファンダメンタルズに沿って、安定的に推進することが重要であり、急速な変動は望ましくないと考えています。
最近の為替市場では相場の変動性が高まっており、政府としては為替市場の動向を、高い緊張感をもって注視をしていく考えであります。
――安倍元総理の国葬について。
昨日、経費の総額について維新の遠藤国対委員長が「ざっくりの数字でも総額を出すのが筋だ」と発言しました。
総理は昨日の会見で「外国要人の数など具体的なものが確定してからでないと数字を示すことはできない」と述べていましたが、開催が近づけばおおよその数や、数字が見えてくると思います。
改めて国葬実施前に、おおよその額や想定額を示す考えはないでしょうか。
○松野官房長官
安倍元総理の国葬儀については、8月26日の閣議において必要な経費について、令和4年度一般会計予備費の使用を決定をしたところであります。
さらに今般の国葬儀に合わせて、過去の葬儀等と同様に、警備や海外要人の接遇に要する費用などが必要になる見込みでありますけれども、毎年度の予算においては、一般的な警備や外国要人の接遇に要する費用を充てるため過去の実績等を踏まえ、所要額を計上をしており、今般の国葬儀に合わせて必要となる関係経費もその中で対応することとしています。
警備や外国要人の接遇に要する経費の詳細については、警護接遇を要する要人の数やそれに基づき決定される警戒警備にあたる部隊の規模、各国首脳とのバイ会談の有無等が不確定であることから、現時点で確たることを申し上げられる段階にはありませんが、国葬儀後に精査の上、できる限り速やかにお示しをしたいと考えております。
――本日発表された人事について。
内閣官房参与の前田氏と科学技術顧問の橋本氏の起用と狙い、働きの期待を。
また科学技術顧問は新設だと思うが、このタイミングでの起用の理由は
○松野官房長官
個別の人事についてのお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、人事は本人の人格識見を踏まえて、適材適所の考え方で行っています。
その上で橋本氏はこれまで、東京大学先端科学技術研究センター所長や国立研究開発法人・物質・材料研究機構理事長を歴任をされ、現在は国立研究開発法人・科学技術振興機構理事長を務められており、科学技術イノベーション政策に造詣が深いと伺っており、こうした知見を生かし、科学技術顧問として有益な情報の提供及び助言を積極的に行っていただくことを期待をしています。
また前田氏は国際協力銀行等における勤務を通じて国際金融・国際経済に関する分野を中心に幅広い経験を積まれており、海外ビジネス支援の分野で総理に対して有益な情報提供やアドバイスを行う内閣官房参与として適任であると総理が判断されたものと承知をしております。
――東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件について伺います。
大会組織委員会の元理事に賄賂を贈った疑いで逮捕されているAOKIホールディングス前会長・青木拡憲容疑者が森喜朗元会長にも現金を渡したと供述していることが分かりました。
捜査中の案件ではありますが、総理大臣も務めた森元会長にも、不正な金銭授受の疑惑が浮上していることについて受け止めをお願いします。
またこの汚職事件が、札幌市が目指す2030年の冬季五輪・パラリンピックの招致にも影響が出るとの見方もありますが、政府としての見解を伺います。
○松野官房長官
捜査中の事件に関わることについて、政府としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
現在、札幌市とJOCが招致に向けた全国的な機運醸成のため活動しているところでありますが、国民、地元住民の皆さまに理解いただけるよう、丁寧に説明していくことが大切だと考えています。
――先程、コロナ対応を巡って関係閣僚が集まっていたが、どのようなやりとりが行われたのでしょうか。
また、何か決まったことなどがあったら教えてください。
○松野官房長官
新型コロナの現状や対応等について、これまでも関係閣僚が集まって議論を重ねてきています。
政府としては、ウィズコロナの新たな経済社会に向けた対応として専門家や現場の意見も踏まえ、全国ベースで発生届の対象の見直し、陽性者の自宅療養期間の見直し、健康フォローアップセンターを含めた新たな療養体制などの全体像を検討し、移行の準備を進めているところであります。
引き続き、関係省庁が緊密にコミュニケーションをとりながら検討を進めていきます。
新たな段階への移行の全体像については、感染状況の推移などを見ながら今後適切なタイミングで公表する考えであります。
――自民党の麻生太郎副総裁が昨日の講演で、台湾有事が起きた場合は沖縄なども戦争に巻き込まれる可能性が考えられると指摘し、抑止力を整備する必要性を強調した。
副総裁も言われた沖縄の与那国島などの地域も戦闘区域外とは言い切れないほどの状況になる可能性について、政府も同様の認識をお持ちなのか確認する。
○松野官房長官
台湾有事という仮定の質問にお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
その上で一般論として申し上げますと、政府としていかなる事態に対しても対応できるよう平素から体制の整備を含め、不断に検討しているところであります。
いずれにせよ、政府としては新たな国家安全保障戦略等の策定に向けてあらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討し、防衛力を抜本的に強化をしていく考えであります。
――総理のコロナ感染中の公務について伺います。
公務の秘匿性もあって面会者が官邸を訪れてモニター越しでやりとりするなどアナログという批判もありましたけれども、 テレワークの実施についての評価と今後の改善点についてお聞かせください。
○松野官房長官
岸田総理は、自宅隔離の期間中も官邸と隔離下の公邸との間で会議やブリーフィングが円滑に行われる様整備をしてきたテレワーク環境を活用し、ほぼ日頃と同様の業務を行うことができたと考えています。
総理には様々な面会者がいらっしゃいますが、そうした面会者と公邸を一般的な会議システムで接続することは機密性やセキュリティーの確保の観点から、困難であります。
このため、官邸と公邸の間に敷設された専用回線によりセキュリティーを確保した安定的な通信が可能なシステムを活用したところであります。