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楽天“新価格”5Gプラン 強みと弱みは?

2020年9月30日 20:41
楽天“新価格”5Gプラン 強みと弱みは?

9月30日午後3時から楽天の三木谷社長が会見を開き、携帯電話の新たなプランを発表しました。携帯電話料金の値下げは今後どうなるのか、お伝えします。 
 
■楽天の新プラン 大手3社と比較すると…
楽天の三木谷社長は、会見で次のように述べました。
 
「料金はそのまま。4Gに加えて5Gも使える。料金については2980円。我々は携帯電話をできるだけ安く、制限なく、どこでも使える」 
 
楽天は5G通信の料金を、データの利用制限なし、月額2980円と発表しました。 
これを大手3社と比べてみました。 
 
各社割引プランもやっていますが、定価(月額)でみると、
NTTドコモはデータの利用制限が原則100ギガまでで7650円
KDDI(au)は制限なしで8650円
ソフトバンクは50ギガまでで8480円
 
楽天は大手3社と比べて半額以下を打ち出したことになります。 多くの人はまだ4Gですが、5Gはこれから普及してくるものです。なじみがない人も多いので、おさらいします。 
 
■そもそも「5G」とは?
5Gは、現在使われている4Gに比べて、最大100倍の通信速度があるといいます。 
たとえば、コロナでリモート中継していますが、その画質がきれいになり、カクカクしない。日テレ系では地上波放送のリアルタイム配信がはじまりますが、スマホで番組を同時にみるときに、フリーズも遅れもなく視聴できる可能性があります。 
 
それだけではなく、自動車やバイクが常にインターネットでつながり、位置情報をやりとりすると、見えにくい位置を走る車両を察知することができるといいます。事故を防ぐことが期待されています。 
 
自動運転、テレワーク、遠隔診察、遠隔手術など、大きな可能性を秘めているわけですが、楽天はなぜ安くできるのでしょうか。 
 
■楽天はなぜ安くできる?
楽天は今年4月に携帯電話事業に参入したばかりです。契約数の事業者別シェアをみると、純粋に楽天の回線を使っている人はわずか0.3%。大手3社に比べてまだ契約数は少ないわけです。 
 
ただ、「新参者」だからこそ安くできる理由があります。 
それは、基地局です。新規参入の楽天は4Gの基地局をつくる時に「5Gにも対応」できる仕組みにしていました。5Gはまっすぐしか電波が飛ばないという特性があります。そのため、ビルの陰などは電波が飛びません。そこで、たくさん基地局をつくらないとつながりません。 
 
このため今、大手3社はコストをかけて新しい基地局の設置をすすめています。 
しかし、楽天は新たな設備投資が必要ありません。だから安くできるというわけです。 
 
4Gと5Gの料金プランを比べてみると、ドコモは+500円。auは+1000円。ソフトバンクも+1000円。このように料金が上がりますが、楽天は差額がありません。 
 
安い理由はほかにもあります。ICT総研の斉藤和代表に聞きました。 
 
楽天は後発であり、新たな顧客獲得のために低価格に設定したのでは、といいます。金融、キャッシュレスサービスなどを一緒に使ってもらうことでコスト管理をしようという新たな戦略では、ということです。 
 
■楽天の欠点は?
 
では、楽天は5Gが安く使えるのでいいのでは、と思いますが、欠点もあります。 
楽天は大手3社に比べて、5Gの対応エリアが限られています。 また、4Gにおいて通信の品質の問題が指摘されています。 
通信障害がたびたび発生するなど品質に不安の声もあり、改善されてはいるのですが、今後5Gになってどうか、という点があります。 
 
■菅総理、総務大臣の狙いは?

携帯電話といえば菅総理です。 
携帯電話料金の値下げを政策の柱に掲げていて、官房長官時代に「4割程度下げる余地はあるのではないか」と発言しています。 
9月18日には担当省庁の武田総務大臣も、「値下げが1割程度だったら改革にならない」と発言しています。 
このように、業界全体で値下げに取り組むよう求めています。 
 
?NTTのドコモ完全子会社化 値下げ進むか
ただ、政府は強要はできません。決めるのは、あくまでも携帯電話会社。 こうした中、ドコモをめぐって9月29日、大きな動きがありました。 
 
NTTが子会社のNTTドコモを完全子会社にすると発表しました。 
NTTの澤田社長は「ドコモは強くなる。財務基盤も整うので、値下げの余力は当然出てくる」と話しました。 
 
政府に言われたからやるわけではない、と強調したうえで、値下げに前向きな姿勢を見せました。 ドコモが値下げした場合、他社もだまっていられません。 
 
値下げの波がくるのか。 ICT総研の斉藤代表は、「格安スマホの事業者の勢力が拡大していて、業界全体として今後価格が下がっていくのは間違いない」として、自然な競争だと言っています。 
 
消費者としては業界の競争が進み選択肢が広がるのはいいことです。しっかりと情報収集したうえで、自分にあったサービスを選んでいくといいですね。 

(2020年9月30日 16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)