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“海無し県”に「幻のノリ」 夫婦で養殖に挑戦するワケとは… 岐阜・山県市

2024年8月19日 17:41
“海無し県”に「幻のノリ」 夫婦で養殖に挑戦するワケとは… 岐阜・山県市

磯の香りが全くしないという“幻のノリ”をみなさんは知っていますか?“

幻のノリ”を求めは取材へ出発。向かった先は海ではなく…なんと山の中!?

幻のノリが採れるのは“海無し県”の岐阜県山県市。透き通るほど綺麗な川の中ではなにやら作業をしている人たちが。

Q.何をしていた
「今はカワノリを収穫する作業をしています。カワノリは川にできるノリなんですけど」

なんと幻のノリとは川で採れるノリ「カワノリ」のことだったんです。

岐阜県山県市に住む山口晋一さんと英津子さん夫婦。約5年前からカワノリの養殖をしています。

流れの速い綺麗な水の中のみで育つというカワノリ。この地域に住む人々に長年親しまれてきた食べ物です。

海のノリは網などにタネを付けて育てるのに対して、カワノリは岩に種を付けて育てるのが特徴。

淡水で育つため、海のノリのような磯の香りはありませんが、肉厚でコリコリとしており独特の香ばしさがあります。

5月ごろから芽を出すカワノリは現在収穫期の真っ只中。しかし、天候の影響を受けやすく養殖は難しいといいます。そのため・・・

Q.年間何枚採れる
英津子さん:「去年が80枚ぐらいで今年は100枚が目標。この前一回採ったんですけど天気があまり良くなくてきれいに乾かなくて」
晋一さん:「なのできょうこの6枚からスタート」

環境の変化により、川の状態や日照条件などが変わり、その生育場所は減少していると言われ、現在環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されています。

地域の人々や専門家などと協力して活動をしており、取材したこの日も大学の先生が作業を手伝いに来ていました。

日本大学 川島元康准教授:
「養殖の実験とかはやっているんですけど、なかなか大規模なところまではいけていない」

活動を始めたきっかけは、夫の晋一さんが地元の人から話を聞いたこと。

75年前から住む地元の女性(94):
「カワノリって昔はようけあったんです。今はちょっと少なくなったんやわね」

晋一さん:
「カワノリを知って初めて、それを見たり食べたりしたときにこんな地元に知らないものがあったんだって思ってこれをなんとか残していけたらいいなって」

山口さんたちは地域の特産品として残そうと活動を続けているんです。

やはり気になるのはその味。海のノリとどう違うのでしょうか。

試食してみると…。

恩田アナウンサー・てぃ先生:
「すごくいい香りで、濃厚な味!」

そしてカワノリのもう一つの楽しみ方が…。

晋一さん:
「去年から今年にかけてカワノリスイーツっていうのを作った」

川の中に生育するカワノリをイメージしたもので、白あんの水ようかんとカワノリの入ったゼリーが層をなす見た目も楽しめるスイーツです。

英津子さん:
「この地域に住んでいることの良さとか、川のきれいさとか、きれいな川にカワノリがあるんだって胸を張って言えるようになったら良いな」

晋一さん:
「やめたらなくなってしまうし、もの自体も知られなくなってしまうので、そういった意味で続けていくことの楽しみっていうのはあります。みんなの宝物みたいになったらうれしいな」

【中京テレビ 「キャッチ!」 8月16日放送より】

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