コメダ珈琲店とコラボした「珈琲のお線香」異例のヒット! アイスや駄菓子の線香も人気 故人の好物の香りで供養を…
一見、何の変哲もない線香に火をつけると、なにやら甘ーい香りが…。仏壇にお供えする線香やろうそくに変化が起きているようです。
2か月で1万箱売れたコメダ珈琲店の線香 “コーヒーかす”を使用して環境にも配慮
夏といえばやっぱりビールと枝豆! さっそくグイっと1杯…と思ったのですが、よく見るとビールと枝豆から白いヒモのようなものが…。実はこれ、仏壇にお供えするろうそくなのです。
カメヤマ 笠間康代副部長:
「近年、供養離れが進んでいますので、家族の皆さんでおじいちゃんこうだったな、おばあちゃんこうだったなという会話が生まれる、そういうことをコンセプトにしています」
神仏用のろうそくや線香の製造・販売を手がける「カメヤマ」が開発した、亡くなった人の“好物”を供えることをコンセプトにした“好物シリーズ”。
ろうそくだけではなく、井村屋の「あずきバー」や駄菓子の「ココアシガレット」「クッピーラムネ」など、それぞれの商品の特徴を匂いで再現したコラボ線香も人気を集めています。故人の好きだったものを香りで届けようというもので、パッケージもほぼそのまま。
線香を開発するカメヤマの高田副部長は、実際のお菓子を10個も20個も食べて、香りを近づけていくのに苦労したと話します。
その中でも、今年5月に販売を開始した「コメダ珈琲店」とコラボした「珈琲のお線香」が今、SNSを中心に注目されています。厳しい仏具業界の中、たった2か月で1万箱を突破。これはコラボ線香としては初めてのことだといいます。※コメダ珈琲店の店頭での販売なし
カメヤマ 線香担当 高田昌宣副部長
「コメダ珈琲店さんの方でもコーヒーの抽出後の出がらしをSDGsで何かに使っていただけないかと問い合わせがありまして、両者の思うところがマッチしたということで」
原材料には、コーヒーを抽出した後に出る「コーヒーかす」を使用。コメダ珈琲店は、「今回のコラボレーションを通じて、今は亡き大切な人にコメダ珈琲店の“くつろぎ”を届けたい」としています。
仏間に漂う甘~い香り コーヒー好きなおじいちゃんとおばあちゃんに届け
そんなコメダ珈琲店の線香を手に取り、カゴに入れる家族がいました。購入した理由を「おばあちゃんもおじいちゃんもコーヒーが好きだったので」と話してくれたのは、松阪市から訪れていた三井さん家族。おじいちゃんとは一緒にコメダ珈琲店にも行ったことがあるといいます。
そんな三井さん家族が、お盆休みにご実家で線香をあげるというので、ついて行かせてもらいました。
ご実家に到着すると、さっそく購入した「珈琲のお線香」に火をつける三井さん。コーヒーらしい香ばしい匂いがするのかと思いきや、普通の先行よりもほんのり甘く、コメダ珈琲店に入った瞬間のような香りが漂います。
カメヤマによると、コメダブレンドにミルクと砂糖を入れるところから着想し、ミルクっぽい甘さを足した香りに仕上げたということです。
三井亜貴さん:
「こういう匂いつきのお線香をあげたことがなかったので、お供えとして香りも楽しめるし、喜んでもらえたらと思いながらあげられる。コーヒー好きやったから、香りが届いたら喜んでくれると思います」
“線香はあの世の食べ物”ともいわれていて、線香を焚き上げた香りが故人の食べ物になる「香食」という考えもあるそうです。故人が好きだったものを香りで届けるのは、よい供養になるかもしれません。