×

「わんこそば」ならぬ「わんこひやむぎ」で大食いバトル開催 ひやむぎ生産地“四日市”が熱狂! 注目選手は反抗期の少年!?  三重・四日市市

2024年8月8日 14:21
「わんこそば」ならぬ「わんこひやむぎ」で大食いバトル開催 ひやむぎ生産地“四日市”が熱狂! 注目選手は反抗期の少年!?  三重・四日市市
「ひやむぎ」で大食いバトル!
三重県四日市市に集まった大食い自慢の人たち。彼らが格闘していたのは、大量の「ひやむぎ」です。激しい大食いバトルに観客も熱狂! 暑い夏に熱い戦いが繰り広げられていました。

製麺所は約30分の1に減少するも…ピンチをチャンスに変えようと奮闘する「ひやむぎ女将」

各地で猛暑を記録した8月3日。三重県四日市市の“大四日市まつり”で「四日市わんこひやむぎ大会」が開催されました。

「なぜ四日市で?」と思う人もいるかもしれませんが、実は四日市市はひやむぎの生産地。江戸時代から農家の副業として盛んに作られてきました。四日市市で200年以上ひやむぎを作り続けてきた渡辺手延製麺所では、今でも全国にひやむぎを販売しています。

社長の渡邉美千代さんは、ひやむぎをこよなく愛する1人。日々、地元の高校や飲食店に、ひやむぎのおいしさを売り込むPR活動を行っていて、その熱心な姿から「ひやむぎ女将」と呼ばれています。

女将の“ひやむぎ愛”は海よりも深く、自宅にお邪魔すると、全力でひやむぎのおもてなしをしてくれました。味の感想を聞くのもほどほどに、次から次へとひやむぎ料理を出す女将。こうなったら止まりません! 出てきたひやむぎ料理は「たらこパスタ風ひやむぎ」や「四日市まぜめん」など合わせて5種類。女将いわく、ひやむぎは洋風・和風どちらにもアレンジ可能なんだとか。

こんなにアレンジ豊富なのに、女将は「ひやむぎはピンチ」だといいます。その理由は、地元民ですらひやむぎは食べない、それどころか知らない若者もいるからなのです。

実は今、後継者不足などで四日市ひやむぎの製麺所は最盛期の約30分の1にまで減少。女将によると、300軒ほどあった製麺所が、今では10軒ほどになってしまったということです。

ですが、女将はこの状況を悲観するどころか、むしろチャンスと捉えているようです。

渡辺手延製麺所 社長 渡邉美千代さん:
「ひやむぎは食べたことないとか、すごい言われるけど、食べた人はめっちゃおいしいって言ってくれるので、これはいける、日本一になれるぞと」

反抗期のチャンピオン “自由”と“お金”を手に入れるため出場を決意!?

わんこそばの要領でひやむぎを食べる「四日市わんこひやむぎ大会」。今年の注目選手は、前年チャンピオンの堀口弓月(ほりぐち・ゆずき)さん、中学2年生です。

堀口さんが去年の大会に出場した理由を聞いてみると…。

堀口弓月さん:
「お母さんの友達がひやむぎの大会をすることになって、お母さんが『出るって言っちゃったから出な』って。自分からやったことじゃないから(優勝したけど)うれしくない」

どうやら反抗期真っ最中の様子…。家ではゲーム優先で、お母さんと話すことはあまりないといいますが、去年はお母さんとの息の合ったコンビネーションで優勝しました。

今年も2人で出場するのですが、堀口さんは「(去年の母のわんこのリズムは)ぐちゃぐちゃで合ってなかった」と厳しい評価。それでも参加を決意した理由は、優勝したらほしいものを買ってもらえると思ったからだと話します。

堀口さんの要求は「つべこべ言うな」「お金がほしい」「ゲーム機を大量に買ってほしい」の3つ。今年も優勝して“自由”“お金”“ゲーム機”を手に入れることができるのでしょうか?

大食いバトルに観客も熱狂! 激戦を制したのは…?

大会当日、会場には「わんこひやむぎ大会」という珍しいイベントに興味津々の人たちが集まっていました。出場枠12組を大きく上回る27組が集結し、出場者を抽選で決める事態に。

前年チャンピオンである堀口さんは、シード枠で出場は決定しているものの、優勝するには予選と決勝、2勝しなくてはいけません。

ライバルたちも「今年こそ優勝します!」とかなり気合いが入った様子なので、予選から波乱の予感…と思いきや、さすが前年チャンピオンの堀口さん。40杯を平らげ、難なく予選を突破しました!

決勝に進出したのは、予選32杯のサングラス薄めのおにいさん(写真右上)と、予選27杯のサングラス濃いめのおにいさん(写真左上)。そして、予選32杯の“赤い稲妻”・遠藤さん(写真左下)と堀口さんの4人です。遠藤さんは去年、堀口さんと同じ量を食べて同率首位となった実力者! 堀口さん最大のライバルです。

今年もこの2人が優勝争いをするのでしょうか? 多くの観客で熱気に包まれる中、今年の王者を決める戦いが始まりました!

「四日市わんこひやむぎ大会」のルールは簡単。わんこそばの要領で、より多く食べることができた人の勝ち。制限時間は1分です!

スタートダッシュは“赤い稲妻”の異名を持つ遠藤さんが優勢! 堀口さんも食らいつきます。

サングラスのおにいさん2人も負けていません。目の前のひやむぎがどんどん減っていきます。

すると、決勝のプレッシャーなのか、堀口さんが少しむせてしまったようです! その間も他の3人は食べる勢いを緩めることなく勝負は大混戦! はたして、この四つ巴を抜け出すのは誰なのでしょうか…?

緊張の結果発表。優勝は…39杯を記録した堀口さんでした!

見事2連覇を達成した堀口さん。予選と決勝を合わせて、ひやむぎ79杯(約800グラム)を平らげました。優勝賞品は40束(約9キロ)のひやむぎです。

お母さんとのコンビネーションもバッチリだったと思いますが…本人に話を聞いてみると「遅いときもあったけど、遅くないときもあった」と、反抗期なりに精一杯お母さんをほめている様子。お母さんもうれしそうな笑顔を見せます。

大会を見守っていたひやむぎ女将も、感無量の様子。

渡辺手延製麺所 社長 渡邉美千代さん:
「最高でした! 感動しました! こんなに一生懸命食べていただけてうれしいし、おいしそうに食べていただけてよかったと思います」

後日、堀口さんは優勝したごほうびに、おこづかい1万円をゲットしたそうです。お母さんはこれからもつべこべ言うかもしれませんが、これをきっかけにもう少し仲良くして、ぜひ来年の「わんこひやむぎ大会」にも2人で出場してくれることを期待しています!

中京テレビのニュース