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友人・隣人が殺されたショックを胸に…街の再建始まる ≪中継≫

2022年5月25日 0:04
友人・隣人が殺されたショックを胸に…街の再建始まる ≪中継≫

ロシアによるウクライナ侵攻から24日で3か月です。戦闘が続く中、ロシア軍が撤退した首都キーウ近郊では、街の再建が進んでいます。キーウ近郊の街マカリウから、小野高弘記者が最新情報を伝えます。

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私はいま、街の中心部の広場にいます。道路には着弾の痕があります。2か月前、街にはロシア軍がいました。そしてロシア軍が去り、がれきや地雷の撤去をして、ようやく先週、商業施設の修復作業が始まりました。建物がなんとか使えるとなれば修復する、もとの生活を取り戻すんだという意思が伝わってきます。

――大勢の方が仕事を失った中、生活は大丈夫なんでしょうか?

全然、大丈夫じゃないですよ。収入がなければ、ものが買えないという心配もありますから。

きのう取材したブチャの町の仕事を紹介する窓口では、先週1週間に80人もの人が訪れたと言います。担当者は「相談に来る人の表情が戦争前とは全然違う」と話していました。

友人や隣に住んでいた人が殺されたというショックがあります。住み慣れた家や家具が壊されたのを目の当たりにしたというショックもあります。街からロシア軍が去っても、また来るんじゃないかという心配を、多くの人が口にしていました。

――またロシアが侵攻して来た時のために、みなさん、家に備えているものがあったりするんでしょうか?

玄関先に、いつでも逃げられるように、服などを置いているという家が何軒かありました。

これが今回の教訓なんだそうです。戦争になったら、シェルターでじっとしていればなんとかなると考えていたが、「違った」と。シェルターにロシア軍が入ってきて殺されるかもしれない。だから、とにかく逃げなきゃだめだと、ロシア軍が来たら逃げなきゃだめなんだと痛感したということなんです。

――3か月たってウクライナの人たちは国際社会に何を求めているのでしょうか?

多くの方が求めているのは、自分の力で稼いで、自分の力で生活していくこと。国のお金はロシア軍と戦うのに使わなきゃいけない。だからお金はない。

国際社会にサポートしてほしいのは、家や街の施設を建てて欲しいということです。例えば、日本の企業がレストランを開業してくれたら、そこで働ける。そうしたサポートがほしいと訴える方もいました。