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元サンフレッチェ広島・増田卓也 教員の道に進む「学校にも生徒にも必要とされる先生に」新たな挑戦に密着!

2024年5月3日 7:00
元サンフレッチェ広島・増田卓也 教員の道に進む「学校にも生徒にも必要とされる先生に」新たな挑戦に密着!

サンフレッチェ広島の選手だった男性がこの春、新たな道を歩み始めました。第2の人生に選んだのは、「教員」。その挑戦に密着しました。

体育の授業をしている増田卓也さん、34歳です。昨シーズン限りでプロのサッカー選手を引退し、4月から高校の先生になりました。

■増田卓也さん
「高校サッカーが今の自分を作っていると思いますし、学校にも生徒にも必要とされる先生になっていきたいなっていうのはありますね。」

増田さんは高校からゴールキーパーに。広島皆実高校で2年と3年の時に全国大会に出場し、守備の要としてチームの勝利に貢献しました。大学を経て、ふるさとのクラブ・サンフレッチェ広島で、プロのキャリアをスタートさせました。

増田さんは高校からゴールキーパーに。広島皆実高校で2年と3年の時に全国大会に出場し、守備の要としてチームの勝利に貢献しました。大学を経て、ふるさとのクラブ・サンフレッチェ広島で、プロのキャリアをスタートさせました。しかし、待っていたのはし烈なポジション争い。日本代表のチームメートを前に、なかなか出場機会を得られませんでした。

Q.試合に出られない中、どのように気持ちを持っていった?
■増田卓也さん
「選手として試合に出ることで評価されますし、そこで一喜一憂するのは当たり前なんですけど、目の前のことに一生懸命頑張ることが大切なんだなだというのは学びました。」

優勝も経験し、Jリーグ通算で92試合に出場。そして2023年、12年間のプロ生活に終止符を打ちました。

4月。ユニホームからスーツ姿に変わった増田さんの姿がありました。通信制の大学に通い教員免許を取得し、瀬戸内高校の保健体育の教員として採用されました。

■増田卓也さん
「元々、学校の先生になりたいとずっと思っていまして、高校時代のサッカー部の監督やコーチの存在が大きくて、その方々のおかげで夢だったサッカー選手、サンフレッチェの選手に到達したと思ったので。選手を終えた後は、今の子どもたちをサポートできる存在になりたいとずっと思っていました。」

迎えた始業式。いよいよ生徒と対面です。教員として新たな一歩を踏み出しました。増田さんは3年生の副担任を務めます。

■増田卓也さん
「緊張しながらも、新しい職場でがんばっていくんだっていう決意の気持ちでいっぱいです。」

授業が本格的に始まり、この日はバレーボールです。キーパー時代からの持ち味、大きな声が体育館に響きます。増田さんの授業は笑顔が絶えません。生徒との距離が縮まっていることを実感する日々です。

昼食は授業の合間を縫って済ませます。お弁当は妻の手作りです。

■増田卓也さん
「元気が出ます。パワーアップしますね。支えてもらいながら、新しい仕事を頑張ろうという感じなのでサポートしてもらっています。」

食事中もパソコンを開き、あわただしく準備を進めます。

■増田卓也さん
「入試広報部なので、広島高校ナビの2024年バージョンの作成の担当で。授業以外の仕事がありますし、いろんな仕事を先生方が担当を振り分けられながら、学校運営がされてるんだなっていうのは新しい発見でありましたし。」

部活動の担当は、もちろんサッカー部。瀬戸内高校は全国大会に10回出場するなど、100人を超える部員がいる強豪チームです。大人数の中でも一人一人への気配りを忘れません。

■増田卓也さん
「やっぱり試合に出られない選手の表情だったりだとか、どんな表情してるだろうなとか、悔しい思いしてるよなっていうのは自分も経験したことでもあるので。一瞬の表情や行動を見逃さないように、グラウンドに立ちたいと思いますし。」

まだ試合に出られていない1年生の指導は、特に力が入ります。

■増田卓也さん(声掛け)
「試合に出る選手、出られない選手、出場時間が短い選手が出た中でも、この雰囲気を継続して、チーム全員で1年間頑張って2年生に上がる。」

■1年生のサッカー部員
「来てもらった時びっくりしたんですけど、素晴らしい指揮をとってくれているので、選手としてとてもやりやすい。」

練習後に訪れたのは高校時代の恩師、鯉迫勝也さんです。現在は瀬戸内高校サッカー部の寮監を務めています。教員になる際には真っ先に相談しました。

■瀬戸内高校サッカー部寮監 鯉迫勝也さん
「まさか一緒に働けるとは、本当にうれしいかぎりですね。持っている力を精一杯しっかりと子どもにぶつけていけっていう。」

■増田卓也さん
「僕は鯉迫先生に人生を変えてもらったというか。2年生の選手権でPKの結果でベスト8になりましたけど、あそこでの自分のプレーがなければサッカー選手になれなかったと思っているので。信頼して僕をゴールキーパーとして使ってくれた鯉迫先生には感謝しかないので。恩を返せるように日々頑張っていきたいとは思っています。」

この日は本職のキーパー練習。2023年までは現役選手とあって、一緒に体を動かしながら、プロの技術を伝えます。
       
■増田卓也さん
「何事にも一生懸命、学校生活の中でも一生懸命で、部活動に対しても一生懸命っていう見られ方ができるように、日々熱く頑張っていきたいとは思います。」

どんなときも努力を続けたJリーガーは、第2の人生でその情熱を生徒に注ぎます。

【テレビ派 2024年4月24日放送】

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