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母親が身元明かさない「内密出産」 厚労省と法務省ガイドラインを公表

2022年9月30日 14:40
母親が身元明かさない「内密出産」 厚労省と法務省ガイドラインを公表

母親が病院以外に身元を明かさないいわゆる「内密出産」について、厚生労働省と法務省は医療機関で実施する際のガイドラインを取りまとめ、30日に公表しました。

「内密出産」のガイドラインは、母親が病院以外に身元を明かさないまま出産する際の運用指針で、今年、熊本市の慈恵病院で相次いで行われたことから、法解釈などを踏まえて厚労省と法務省が共同で取りまとめました。

ガイドラインでは、内密出産を望む妊婦から相談を受けた医療機関が妊婦に対し、子どもの出自を知る権利の重要性や支援体制などを説明した上で、身元を明かしての出産をするようまずは説得し、それでも同意がない場合、「仮名」でのカルテを作成することができるとし、出産後に母親が出生届を提出する意向がない場合、児童相談所に通告の上、市区町村長が戸籍を作成することができるなどとしています。

また、将来、子どもが母親の情報を知ることができるよう、母親の身元情報を開示する時期について、事前に母親が決め、その内容を児童相談所を通じて、子どもが入所する施設や里親などに伝えます。

さらに、手紙やオモチャ、希望する子どもの名前など、子どもに託すべきものも医療機関で保管することも可能であると説明し、母親から提供があった場合には、医療機関で保管し、子どもに引き継ぐ、ということです。

国は、今回のガイドラインについて「現在の制度での対応を整理したもので内密出産を推奨するものではない」としており、子どもの出自を知る権利や母子の支援の観点から、「妊婦が身元情報を明らかにして出産することが大原則」だと説明しています。

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