米国で拡大続くスポーツ賭博…成人250万人が重度の“ギャンブル依存症”と推定
ドジャース大谷翔平選手の元通訳・水原一平容疑者の罪状認否が来月9日に行われます。水原容疑者が打ち明けたとされるスポーツ賭博によるギャンブル依存症、その実態を取材しました。
アメリカ・ロサンゼルスで数学の教師をするチャックさん。
チャックさん「かつてはギャンブルのために生きていました」
18歳でギャンブルを始め、当時住んでいたニューヨーク州でスポーツ賭博が合法化されてから、のめり込んでいきました。
アメリカンフットボール、野球など様々な競技の傾向を自ら分析し、賭けていたと話します。特に、球場で観戦しながら次のバッターの結果をスマートフォンでリアルタイムに賭けることに興奮を覚えました。
チャックさん「スポーツ賭博は運ではないと思い込んでしまったんです」
そして2年前。およそ3000万円を賭博で失って、依存症と認識しました。
チャックさん「実際はスポーツの競技ではなく、ただ賭けの数字を見ていただけだったんです」
スポーツ賭博が禁止されているカリフォルニア州に移住し、治療を続けています。
アメリカでは現在、スポーツ賭博ができるかは各州の判断となっていて、50州のうち38の州と首都ワシントンで合法化されています。
依存症患者の支援団体によると、アメリカの成人のおよそ1%、250万人が重度の依存症と推定され(全米問題ギャンブル協議会より)専門家は、さらに増えると警鐘を鳴らします。
ギャンブル依存症の治療プログラム責任者、カリフォルニア大学ロサンゼルス校 ティモシー・フォン教授「スポーツ賭博のために、10年前まではラスベガスに行く必要があった大学生が、今は自宅の部屋で24時間できる。これまでギャンブルしなかった人が、どんどん始めています」
保釈の条件として、依存症の治療プログラムを受けるよう求められた水原容疑者。治療と並行して進む裁判では一体、何を語るのでしょうか。罪状認否は来月9日です。