×

【異例】戸畑祇園大山笠 4地区の1つが「競演会」に参加せず 同じ時間帯に別の場所で「独自の夏祭り」 理由は「意見の食い違い」 北九州市

2024年7月29日 18:53
【異例】戸畑祇園大山笠 4地区の1つが「競演会」に参加せず 同じ時間帯に別の場所で「独自の夏祭り」 理由は「意見の食い違い」 北九州市
戸畑祇園大山笠 4地区の1つが不参加

北九州市を代表する夏祭りの一つ、戸畑祇園大山笠(とばたぎおんおおやまがさ)のメインイベント「競演会」が27日開かれました。例年4つの地区が参加しますが、ことしは運営をめぐる意見の違いから1つの地区が参加せず、49年ぶりに全地区がそろわない異例の競演会となりました。

12段、309個の提灯で彩られた提灯山笠(ちょうちんやまがさ)は、「光のピラミッド」の愛称で親しまれています。

ユネスコの無形文化遺産に登録され、200年以上の歴史がある戸畑祇園大山笠。3日間の祭りの期間のうち、例年、戸畑区役所周辺で開かれる「競演会」の時だけ、すべての大山笠が一堂にそろいます。

■川崎直人 記者
「通常であれば競演会は4つの大山笠が集う場ですが、ことしは3つの地区しか参加していません。」

ことしは1つの地区が出場を辞退しました。その理由は、競演会を運営する振興会の体制への不満です。

戸畑祇園大山笠では2018年、暴力団の組長の長寿を祝う宴会に、当時の山笠の総代表らが出席していたことが発覚しました。以来、競演会を運営する振興会の役員から山笠関係者が外れています。

山笠を行う地区の一つ、天籟寺(てんらいじ)大山笠は、振興会の役員に山笠の関係者が入っていないことに不満を表明し、27日、学校のグラウンドを借りて独自の夏祭りを開催しました。同じ時間帯に行われた競演会には参加しませんでした。

■天籟寺大山笠・藤本和己 総代表
「4つがそろえば確かに一番いいとは思うが、意見の食い違いがあったことがきょうの開催になった。これはこれで僕らはよかったんじゃないかと思う。」

一方、競演会の観客からは、4つすべての地区の参加を望む声が聞かれました。

■訪れた人
「4つそろってこその戸畑祇園だと思っています。」
「来年こそは、4基そろって盛り上がった競演会を見られたらと思います。」

当番山を務めた西大山笠の総代表は、4つの山笠が足並みをそろえることの難しさを口にしまし

■西大山笠・宮本健治 総代表
「(Q.4つの大山笠が集まって一緒に競演会やりたいという思いは?)それが理想。理想だが、神社も違うし各山の風習も違うし、なかなか合わないところもあるので、そこは難しい点だと思う。」

4つの大山笠がそろわずに競演会が開催されたのは49年ぶりです。

4つの地区の間で、振興会の役員復帰への温度差があることから、振興会側は山笠関係者が役員に復帰するのは時期尚早と考えています。

■戸畑祇園大山笠振興会・松下修祐 事務局長
「4つの山と振興会が同じ方向を向いて戸畑祇園大山笠行事を盛り上げていく、これが本来の姿だと思う。われわれも別に天籟寺大山笠を排除しているわけではないので、ぜひ(今後は)参加してほしい。」

福岡県夏の三大祭りの一つとされ、競演会に8万人の観客が詰めかけた戸畑祇園大山笠。考え方の違いを乗り越え、来年すべての大山笠が集まり、練り歩く姿を見ることができるのでしょうか。