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【飯塚事件】弁護団は「新証拠で“ある疑問”が解消」状況証拠の一つが崩れるか 裁判のやり直しの可否は6月5日に決定へ 福岡

2024年5月21日 20:09
【飯塚事件】弁護団は「新証拠で“ある疑問”が解消」状況証拠の一つが崩れるか 裁判のやり直しの可否は6月5日に決定へ 福岡
弁護団の主張は
32年前、福岡県飯塚市の小学生の女の子2人が殺害された「飯塚事件」。殺人犯として死刑が執行された久間三千年(くま・みちとし)元死刑囚の第2次再審請求について、裁判のやり直しを認めるかどうか裁判所の決定が、6月5日に示されます。第2次再審請求の争点は何なのか、元死刑囚の無罪を訴える弁護団の主張をまとめました。

■市民団体(5月18日)
「第2次再審請求で何が明らかに、弁護団が明らかにされたかというのを今回は現地で証明したことを体験してもらう。」

5月18日、飯塚事件の再審を支援する市民団体が説明会を開きました。目的は、弁護団が第2次再審請求で示した「新たな証拠」を検証しようというものです。

その「新たな証拠」とは、事件当日に女の子2人を最後に目撃したとされる女性が、当時の供述調書の内容をみずから否定する証言です。

第2次再審の審理で最大の争点となりました。

■飯塚事件弁護団・德田靖之弁護士(ことし2月)
「自分は事件があった日に子どもたちを見たのではない。それをその日に見たという供述調書にさせられてしまった、そういう趣旨の証言をされたわけです。」

目撃したのは事件当日ではないと何度も言ったのに、警察に押し切られた。この女性の証言には重要な意味があると弁護団は考えています。

それは、裁判所が久間三千年氏を殺人犯と結論づけた状況証拠の一つが、崩れることにつながるからです。

確定判決は、女性の供述調書をもとに事件当日の午前8時30分ごろ、福岡県飯塚市の住宅街の三差路付近で女の子2人が誘拐されたと特定しています。

同じころ三差路で、久間氏の車によく似た紺色のワゴン車が目撃され、さらに女の子の遺留品が発見された現場でも、特徴がよく似た紺色のワゴン車が目撃されたことを、久間氏を殺人犯とする状況証拠の一つとしました。しかし。

■德田弁護士
「この証言通りだということになると、何が起こるかというと、誘拐場所がどこだったのかということが特定できなくなる。 誘拐された時間も午前8時30分でないということになる。そうなると、三差路を通った紺色ワゴン車が事件と関係しているかどうかは、全く分からなくなってしまう。」

また、弁護団は今回の女性の証言で、ある疑問が解消したと話します。

その疑問とは事件当日、三差路には女性以外にも複数の人がいたにもかかわらず、女の子たちを見たというのは、女性一人だけだったということです。

■德田弁護士
「もともと、事件当日に子どもたちを見ましたというOさん(女性)の旧供述は、大きな矛盾をはらんでいたんです。それが今回の新供述、法廷での証言で私はそんなこと言っていません。 私が見たのはその日ではありません、別の日ですという証言によって、その疑問点がすべて解消してしまったわけです。」

一方、検察は「女性はみずからの証言が影響して久間氏が死刑になったと思い込み、当時の証言を否定せざるを得ない心境になったもので、信用できない」 などと反論したということです。

女性の証言をめぐる弁護団と検察の応酬に、裁判所はどのような判断を示すのか。裁判のやり直しを認めるかどうかの決定は6月5日に示されます。