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【決意】議員が対象のハラスメント防止講習会「耐えてきたことを下の世代に強要しない」市町村議会から330人が参加 福岡

2024年7月28日 6:22
【決意】議員が対象のハラスメント防止講習会「耐えてきたことを下の世代に強要しない」市町村議会から330人が参加 福岡
議員が対象 ハラスメント講習会

自治体のトップや地方議員らのハラスメントが全国各地で問題となっています。県内の地方議員を対象とした「ハラスメント」防止の講習会が福岡市で開かれました。

■小竹町・良永陽臣 町議
「どういうことがハラスメントにあたるのか、言葉遣いなのか、人間としての品位なのか、いろいろと教えていただきたいと思って参加しました。」

■大野城・平田不二香 市議
「特に女性だからといって意見が言えないというのは全くなく。時々、議場でちょっと乱暴かなという場面も時々あります。」

福岡市のホテルで開かれた講習会。県内54の市町村議会の議員330人が学んでいたのは、議会内で起こり得るセクハラやパワハラなどのハラスメントについてです。

■先輩議員(内閣府の再現動画より)
「これまでの慣習で、お茶は女性議員にお願いしているから頼むよ。女性がいれたお茶の方がおいしいからね。」

内閣府の調査によりますと、全国の地方議員の中で、男性は32.5%、女性は57.6%が有権者や先輩議員などからハラスメントを受けたと回答しています。

■上智大学・三浦まり教授
「議会でハラスメントがあるようでは、一般社会のハラスメントを防ぐ措置を議会が発案することができない。正当性が損なわれてしまう。」

講師を務めたのはジェンダーと政治の研究をする上智大学の三浦まり教授です。教材として、実際に起きたハラスメント事例の再現動画を使いました。

■先輩議員(内閣府の再現動画より)
「お前はバカなのか。頭が悪いのに勉強していないじゃないか。出ていけ。お前は議員に向いてない。」
「新人は黙っとけ。生意気なんだよ。SNSでの発信ばかりして、大した仕事もしてないくせに。」

このようなハラスメントを防ぐポイントとして、三浦教授は、周りが黙認しないこと、自分たちが耐えてきたことを下の世代に強要しないことを訴えました。

■太宰府市・笠利 毅 市議
「映像にあったような極端なハラスメントではないにしても、それに近いようなことはすごく起きやすい。新しい文化をつくっていかないといけない。」

■福津市・石田まなみ市議
「自分もハラスメントを受けたことがありまして、自分さえ我慢すればいいという思いで我慢していた。いろんな人に話が聞きやすい環境をつくっていく。その役目をやっていきたい。」

福岡県議会事務局は、県のハラスメント根絶条例に基づき、2023年に議員の相談窓口をつくり、10人の議員や候補者からハラスメントの相談があったいうことです。

本来は社会からハラスメントをなくすために機能すべき議会。健全な議論を進めるため、議員一人一人が意識を高めることが必要です。

※FBS福岡放送めんたいワイド2024年7月23日午後5時すぎ放送