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【鉄道ファンも注目!JR福島駅の“アプローチ線”設置工事】重さ100トン超をどうやって?困難の連続乗り越えたその姿を特別に撮影【福島県】

2024年6月28日 11:52
【鉄道ファンも注目!JR福島駅の“アプローチ線”設置工事】重さ100トン超をどうやって?困難の連続乗り越えたその姿を特別に撮影【福島県】

新幹線にまつわる話題です。JR福島駅で大規模な工事が進んでいることをご存じですか?鉄道ファンも注目するこの工事。完成すれば新幹線がもっと便利になるかも知れません。

■大川悠輔 記者
「JR福島駅を上から見渡せる施設に来ています。東北新幹線の線路の隣には、巨大なループ状の新しい線路が整備されているのがわかります」

新幹線や在来線が乗り入れる交通の要所=JR福島駅。新幹線ホームでは日々、東北新幹線の「やまびこ」と山形新幹線の「つばさ」が連結したり、切り離されたりしています。その「つばさ」が福島駅へ乗り入れる際に通るのが「アプローチ線」と呼ばれる線路。今は上下線ともに1本のアプローチ線を使っています。

今回、注目するのは、これとは別にできる新たなもの。駅の東側にできたこの、ループ状のアプローチ線が、東北・山形新幹線をさらに便利にしてくれるんです。その工事現場を、今回、特別に撮影させてもらいました。

まずは、その概要です。

■JR東日本 東北建設PMO 丸山 巧悦マネージャー
「今回、計画しています上りアプローチ線は全長約1300メートルございます」

新たにできるアプローチ線の本格工事は2021年から始まりました。
高架橋の整備など土木工事は9割ほどが完了。今は線路の敷設作業などを進めていて、2027年3月までの使用開始を目指しています。
工事も終盤に近づき、ようやく形が見えてきた新たなアプローチ線ですが、ここまでは困難の連続でした。

■JR東日本 東北建設PMO 丸山 巧悦マネージャー
「既存の施設を縫うように今回、計画しているので最も難しいところではあるが勾配、曲線が特徴的な現場」

こちらは去年7月に行われた鉄道の線路をまたぐ県道のこ線橋の上に、100トンを超えるアプローチ線の支えとなる「桁」を架ける作業です。巨大クレーンで桁を持ち上げミリ単位で位置を合わせ、3時間ほどでつくりました。
福島駅は線路や道路が複雑に入り組んでいます。そのため、いろいろな構造物にぶつからないように避け、かつ、交通への影響にも考慮しながら進められました。

でも、なぜこんな大変な作業をするのでしょうか?その理由は、福島駅が抱えていた長年の課題!
これを解決すれば、東北・山形新幹線がもっと便利になるのです。

その課題というのが?

■JR東日本 東北建設PMO 丸山 巧悦マネージャー
「上りのやまびこがつばさと併結する際には下り2番線に進入する際と、併結後にやまびこつばさとして福島駅から出発する際の2回、東北新幹線の下り線と平面交差をすることが課題となっていた」

今はアプローチ線が1本しかないため、上り線も下りホームに入って連結を行っています。その際、やまびこが下り線をまたぐ「平面交差」が2度、発生しています。この2度の平面交差が福島駅の課題。時間がかかるため、新幹線のダイヤをつくるのに制約が生じます。
また、トラブルが起きた時の復旧も複雑になります。
これを解決するためJRは、つばさが上りホームに入る新たなアプローチ線をもう1本、整備。平面交差をなくすことで安全性を高め、ダイヤの復旧時間も短縮しようというのです。

■JR東日本 東北建設PMO 丸山 巧悦マネージャー
「地域の注目も高いこともありますし、安全に確実に施工をこれからも行っていきたい」

JR福島駅で進む一大プロジェクト。新たなアプローチ線ができることで、東北・山形新幹線の利便性が高まります。