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変わりゆく広島の街 相生通りをトランジットパークに! 街づくりのプラットフォーム『カミハチキテル』の取り組みをプレゼン【アナたにプレゼン・テレビ派】

2024年5月15日 7:30
変わりゆく広島の街 相生通りをトランジットパークに! 街づくりのプラットフォーム『カミハチキテル』の取り組みをプレゼン【アナたにプレゼン・テレビ派】

広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。今回プレゼンするのは、木村和美アナウンサー。「変わりゆく広島の街」と題して、『カミハチキテル』の取り組みについてプレゼンします。

『カミハチキテル』とは、紙屋町・八丁堀エリアに注目して発達させることを目的とした団体で、民間企業を中心に行政や大学など60団体が参画する街づくりプラットフォームです。「カミハチ」は、広島市中区の紙屋町・八丁堀エリアのことで、「多くの人に訪れてほしい」「注目が集まってほしい」という意味が込められているそうです。

「紙屋町・八丁堀エリアの価値を高めるためにはどうしたらいいのか」という社会実験が行われました。2020年には、相生通りに全長53mのウッドデッキや、コンテナ店舗を設置しました。車道の一部を転用して歩行者のための空間を作りました。

コロナ禍だった2021年には、基町クレドのふれあい広場で、テイクアウトした食事を楽しめるようにと、おしゃれな屋外滞留空間を作り出しました。このような取り組みをしてきた『カミハチキテル』が4月、広島市中区の相生通りを「公園のように整備する計画」を、広島市の松井一実市長に提言しました。

相生通りは、広島市中区の原爆ドーム沿いを流れる本川と、広島駅のすぐそばを流れる京橋川の間にあるエリアのことです。歩行者はもちろん、路面電車やバス、車なども多く通ります。さらに、三越や福屋などの百貨店や、ゲートパークや基町クレドも近くにあります。現在、再開発が進んでいる広島駅と、紙屋町・八丁堀エリアを結ぶメインストリートです。

『カミハチキテル』は、相生通りを車中心ではなく「人のための空間にしたい」との思いから、公園のように整備する「トランジットパーク構想」というのを提言しました。 「トランジットパーク」とは、自家用車の通行を制限して、バスや路面電車、タクシーなど公共交通機関だけが通行できる道路「トランジットモール」に、公園の要素を加えた造語です。歩行者と公共交通機関のみの空間にすることで穏やかな空間が広がり、ベンチなどを設置して公園のようなストリート「トランジットパーク」を目指すことを掲げています。

「トランジットパーク」構想では、車両を鯉城通りや平和大通りに通し、相生通りの通行量を減らすことを検討しています。そのほか南北の道路もいくつか通すことを検討しており、どの道路にするのか、交通量をどうしていくのかという点は、近くの地元の企業や広島市と話を進めていく段階にあるということです。『カミハチキテル』は、トランジットパークとすることで、公共交通の利便性とバリアフリーが向上して、これまで以上にカミハチエリアに行きやすくなること、その場所に滞在する時間が長くなり、回遊性が増えることで、都市全体に大きな経済効果が期待できること、オフィス街であることから、若者が働きたいと思える街にすることで、人工流出対策の一助になるのではないかと話しています。

歩道を広くするためには、一般車両の通行の制限、路面電車の線路を動かすなど、大掛かりな工事が必要になります。『カミハチキテル』代表の若狭利康さんは「周辺の交通渋滞が懸念されるため、広島市との連携は不可欠」と挙げています。広島市が、相生通りの整備や修繕を行い、『カミハチキテル』の団体は、管理や運営をおこなって官民連携で進めたいとしています。現時点では、どのような形なら実現できるのかを柔軟に話し合いたいという段階だということです。

この提言を受け、広島市の松井一実市長は会見で「相生通りという『点』だけの作り替えにとどまらずに、公共交通、また道路交通の再設計という『面』的な取り組みも必要になる。官民一体で体制を整えて、持続的な地域都市全体の発展へとつげていきたい。」と話していました。

『カミハチキテル』は、実現となると、2020年代後半から歩道の拡張などを始めて、2030年代後半には実現できるように動き出していきたいとしています。どういった形で実現するかというところも含めて、開発が進む紙屋町・八丁堀エリアから目が離せません。