両親の無念「ランドセルも傷ついて…」札幌小4死亡事故 被告の男、持病ありも適切な管理せず…
クリスマスプレゼントをもらって大喜びする男の子。
このわずか半年後、9歳で命を絶たれました。
(母親)「いないことが不思議というか、ふらっと帰ってきそう」
(父親)「道を歩いていて、似たような背格好の子を見るとあれって思う」
こう話すのは、西田倖さんを亡くした両親です。
事故が起きたあの日から家族の時間は止まったままだと言います。
(父親)「私と妻はちょこちょこおしゃべりしています」
(母親)「その日の出来事とか、いつも大好きだよって言ってあげます。結構言ってました。朝起きてぎゅーってして、夜寝るときもぎゅーってして、大好きだよまた明日ねみたいな感じでした」
(鷲見記者)「男の子がはねられた横断歩道です。現場には車の部品が散乱していて、警察が入念に調べています」
札幌市豊平区の市道で、学校に向かうため横断歩道を渡っていた小学4年生の倖さん。
そこに赤信号を無視したワゴン車が突っ込み、倖さんは腹部を強く打って死亡しました。
当時、身に着けていたランドセル。
(父親)「(ベルトが)切れてしまっているんですね。ランドセルも結構傷ついているので、本人の体を守ってくれていたのかなと思うんですけど、顔も傷ついていたし、衝撃はひどかったんだなと改めて思いました」
過失運転致死の罪に問われている花田光夫被告(64)。
検察によりますと、糖尿病の持病があった花田被告は、薬を服用したあとに食事をとらず、意識障害を起こす可能性を認識していたにも関わらずワゴン車を運転。
その後、意識障害に陥り、倖さんをはね死亡させたとされています。
父親も参加した1回目の裁判は午後2時から始まりました。
少し背中を丸め、背もたれを使って椅子に座る花田被告。
冒頭、起訴内容について問われるとー
「私自身は記憶にありませんけど、現場検証をしていますし、証拠を検討した結果、間違いないと思います」
このように述べ、起訴内容を認めました。
検察によりますと、花田被告は2013年ごろから糖尿病を患い、薬などで血糖値を抑える必要がありました。
しかし、病院への通院も不定期。
血糖値の測定もせず、医師から意識障害の危険性を繰り返し伝えられていたということです。
事故前日には体調不良で別の場所で事故を起こし、事故当日にはさらに体調が悪化。
そんな状況にも関わらず、薬を服用した後に食事をとりませんでした。
「性格的にずさんなところがあった」
倖さんをはねる直前、250メートル手前の歩道上でもポールをなぎ倒す物損事故を起こした花田被告。
この時点ですでに意識障害を起こしていたとみられます。
最後に裁判官から「何か言いたいことは」と問われるとー
「頭をさげることしかできない。すみませんでした。すみませんでした。すみませんでした」
検察は身勝手で事故の結果も重大であるとして、禁錮4年を求刑。
一方、弁護側は「過失を認めて謝罪している」とし、執行猶予付きの判決を求めました。
(父親)「これほどまでに身勝手だったんだなっていうのが非常に残念。被告人に本当に謝罪の意思があるというのは全く感じておりませんし、結果的に病気のせいだとか薬のせいだとか、被告人は終始他責に終わってしまった公判だったというのが率直な感想です」
ドライバー自身の体調管理の責任が問われている裁判。
判決は8月2日に言い渡されます。