“パパ見てて” ウクライナから避難してきた13歳のモデル TGCで夢のランウェイデビュー
■ウクライナでもモデルの養成学校へ 夢が諦めきれず…
ウクライナにいたころから、モデルの養成学校に通い、モデルデビューを目指していたブラダさん。しかし、避難を余儀なくされ、ウクライナでモデルとして活躍するという夢が閉ざされることに。しかし諦めなかったブラダさんは、名古屋市内のモデル事務所へ自ら訪ねアピール。所属が決まると、モデルデビューを目指し、日々レッスンを重ねてきました。
当時のことについてブラダさんは「私は自分を信じていました。自分を信じることが一番大事で、そうすれば夢はかなうと思っていました」と振り返りました。
ひたむきにモデルを目指し頑張ってきたことで、ランウェイデビューの場として決まったのは、3日にさいたまスーパーアリーナで開催された『第35回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2022 AUTUMN/WINTER』。約2万人の観客の前でデビューを果たすことに。ブラダさんの母・ユリアさんは「ブラダは子供のころからモデルになりたいと夢見ていました。ブラダの夢がかなってうれしいです」と喜びました。
■「パパに見てほしい」ウクライナに残った父への思い
憧れの舞台に立てることになったブラダさんは、“一番見てほしい人”がいるそうで、「パパに見てほしいです。とても喜んでくれると思います。日本でこのような大きなショーに出ることを誇りに思ってくれるはずです」とうれしそうに話しました。
ウクライナでは現在も、成人男性の出国が原則禁止されているため、父・バデウィムさんとは離れて暮らすことに。今もキーウで暮らす父についてブラダさんは「パパは私たちが恋しくて、早く会いたいと言っています。でもウクライナは安全ではないから、私たちには日本に残ってほしいそうです。パパはとても優しいです。大好きです」とさみしそうに話しました。
だからこそ、父・バデウィムさんのため、ブラダさんは「“私はここにいて大丈夫だよ。安全だよ”ってパパに見せたいです」と本番への意気込みを語りました。
■母に励まされ臨んだ緊張のランウェイ
そして迎えた当日。出番に向けて、ウォーキングの最終確認やメイクなど着々と準備を進めるブラダさん。しかし、刻々と近づく出番に「(出演が)うれしいですが、緊張もしています」と不安を口にしました。すると、母・ユリアさんは「何も怖がらないで。うまくいくよ。登場するときは何も考えないで歩くだけでいいんだよ」とブラダさんに優しく声をかけました。
母・ユリアさんの励ましもあり、ブラダさんは堂々とした表情とウォーキングをランウェイで披露し、観客を魅了しました。本番終了後、ブラダさんは「やばい! うれしくて手が震えている!」と興奮をあらわにすると、母・ユリアさんと成功の喜びを分かち合いました。
■“パパが誇りに思ってくれる人気モデルになりたい”
母・ユリアさんが許可を取って撮影したランウェイの動画を送ってもらい、キーウにいながら娘の晴れ姿を見ることができた父・バデウィムさん。ブラダさんがランウェイの直後に電話をすると「(モデルとしての姿が見られて)とても幸せだよ。(心配で)多分ブラダより緊張したよ(笑)君たちが安全な素晴らしい国にいて、うまくいってるのがとてもうれしいよ」と感慨深そうに話しました。
モデルとしての一歩を着実に進んだブラダさんは「目標は人気モデルになること、スターになることです。パパが誇りに思ってくれるように、日本や世界中で有名になるのが目標です」と夢を語りました。