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【著者を取材】ウクライナの作家が描いた戦争の絵本「子供たちに正直に」 主人公の“からだ”に込めた思い

2022年6月30日 22:25
【著者を取材】ウクライナの作家が描いた戦争の絵本「子供たちに正直に」 主人公の“からだ”に込めた思い
ウクライナの絵本作家が描いた『戦争が町にやってくる』

ロシアによる軍事侵攻を受けるウクライナで、絵本作家として活動する夫婦がいます。2人が“戦争”をテーマに描いた絵本が6月3日に出版されると、わずか1か月で重版が決定。日本語含め“世界15の言語”に翻訳されるなど広がりを見せています。今もウクライナ西部のリビウに住むロマナ・ロマニーシンさんとアンドリー・レシヴさんにリモートインタビューし、絵本に込めた思いを聞きました。

■絵本で描かれる戦争 平和な町が突然“闇の中”に

ロマナさん(37)とアンドリーさん(38)が描いた絵本『戦争が町にやってくる』(ブロンズ新社)。“ロンド”と呼ばれる美しい町が舞台で、人々が花を育て、鳥や草木に話しかけながら楽しく暮らしていたある日、この町に「戦争」が突然やってきます。


(『戦争が町にやってくる』より)
ロンドの町の人たちは、戦争がどんなものかしりませんでした。
ところが、戦争は、どこからともなくやってきました。
黒くておそろしい戦争が、地面をゆらし、耳をつんざく音をたてながら、ゆっくりと町にむかってきました。
破壊と混乱と暗闇をつれて。戦争が手をふれると、なにもかもが闇のなかにきえていきました。


「戦争」がロンドに影を落とす中、町を愛するダーンカ、ジールカ、ファビヤンの3人は暗闇から町を救い出そうとします。

■きっかけは2014年のクリミア侵攻「自分たちは“非常に弱い存在”」

制作されたきっかけは2014年、ロシアによるクリミア侵攻を2人が体験したこと。「親子の間で話し合うきっかけになるような本を作ろう」と、2015年にこの絵本が生まれました。

――2014年のクリミア侵攻でどんなことを体験し、どんなことを感じましたか?

ロマナ:とてもつらい時でした。全ての出来事が非常に濃厚でした。かなりのストレスを感じ、多くの人々が命を失いました。私たちはこのような重大な出来事に対して、全く準備ができていませんでした。

アンドリー:自分たちのことを“非常に弱い存在”だと感じました。

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■からだが“壊れやすい素材”でできた主人公たち
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