2021年“最もおすすめしたい絵本”決定
月刊誌『MOE』(白泉社)が28日、2021年“最もおすすめしたい絵本”を決定する「第14回MOE絵本屋さん大賞2021」を発表。1位にヨシタケシンスケさんの『あんなに あんなに』が輝きました。
「MOE絵本屋さん大賞」は全国約3000人の絵本専門店・書店の児童書売り場担当者が、2020年10月から2021年9月までに発売された絵本の中で「最もおすすめしたい作品」を選出。ランキング形式で発表されます。
『MOE』編集部の門野隆編集長は今年選ばれた絵本の傾向について、「私たちが日頃抱えている苦労や悩み、不満やストレスから解放してくれ心をじんわり温かくしてくれる作品や勇気がもらえる作品が多く、ストレートに世情を映し出していることに驚きました」とコメントしています。
結果は、以下の通りです。
■「第14回MOE絵本屋さん大賞2021」ランキング
第1位 『あんなに あんなに』ヨシタケシンスケ/作 ポプラ社
第2位 『たまごのはなし』しおたにまみこ/作 ブロンズ新社
第3位 『街どろぼう』junaida/作 福音館書店
第4位 『怪物園』junaida/作 福音館書店
第5位 『ゆめぎんこう』コンドウアキ/作 白泉社
第6位 『二平方メートルの世界で』前田海音/文 はたこうしろう/絵 小学館
第7位 『にげて さがして』ヨシタケシンスケ/作 赤ちゃんとママ社
第8位 『ノラネコぐんだん ケーキをたべる』工藤ノリコ/作 白泉社
第9位 『あきらがあけてあげるから』ヨシタケシンスケ/作・絵 PHP研究所
第10位 『ながいながい ねこのおかあさん』キューライス/文 ヒグチユウコ/絵 白泉社
■7度目の1位 人気絵本作家が描いた“子供の成長”
1位の「あんなに あんなに」は人気絵本作家・ヨシタケシンスケさんが“子育て”をテーマに描いた絵本です。「あんなにほしがってたのに、あんなにしんぱいしたのに、あんなに小さかったのに…」など、「あんなに○○だったのに」「もう こんな」というシーンが繰り返され、子供がどんどん成長していく過程が描かれています。出版社によると現在発行部数は22万部を記録し、40代以上の女性を中心に幅広い層に読まれているということです。
門野編集長はこの絵本について「“子育て”とともに過ぎていく時間と、何重にも味わう苦労と幸せが詰め込まれていて、自分を重ねてジーンと来てしまう大人が続出したと思います」と評価。ヨシタケさんの作品が「MOE絵本屋さん大賞」で1位となるのは、今回で7度目の快挙となりました。
さらに、要注目の新人作家などの作品が対象の「新人賞」1位は『笑本おかしばなし1 ももたろう』。ギャグ漫画家の漫☆画太郎さんが“ガタロー☆マン”として「ももたろう」に独自の解釈を加え、絵本ならぬ“笑本(えほん)”として発表した作品です。また0~6歳向けの絵本が対象で、中学入学前の子供がいるパパ・ママによりウェブ投票で選ばれた「パパママ賞」には、工藤ノリコさんの『ノラネコぐんだん ケーキをたべる』が1位に選ばれました。