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新沼謙治、チャリティーコンサート開催

2011年5月7日 22:24
新沼謙治、チャリティーコンサート開催

 岩手県大船渡市出身の演歌歌手・新沼謙治(55)が7日、東日本大震災の被災地を支援するチャリティーコンサート「〜俺を育ててくれた故郷へ〜」を都内で開催。開演前に取材に応じた。

 新曲「雪の川」など18曲を披露。1曲目の「おもいで岬」は北海道の海を舞台にしたデビュー曲だが、「(当時)スタジオで録音したときに、脳裏に浮かんできたのが、今回津波に遭った大船渡の海」と故郷の風景がよみがえるという。コンサートの開催については「やめようかなと思ったけど、やることで何かの力に変わるのであれば、これは前向きに取り組んだほうがいい」と決断。収益の一部などを、災害義援金として大船渡市の戸田公明市長に直接手渡しに行く。

 4月に帰郷し、避難所10カ所を回った。沿岸地域は「防波堤が波にのまれてなかったので、ものすごく驚きました。それを見たら涙が止まらなくなって」。明かりを失った市内の様子も目の当たりにし、「溢れた涙は、拭いても拭いても止まらなかった」と沈痛な面持ちで語った。

 大船渡市民文化会館(リアスホール)で行う予定だった7月のコンサートは中止になった。被災地に歌で元気を届けたい、という気持ちはあるが、「歌を歌う前にやるべきことはある。みんなが普通の生活に戻れて、いいスタートラインに立てて、本当の意味で希望が持てるようになったら」と現地の状況を配慮。「そのときに歌を歌えば、いい意味で勢いがつくのかなと思っています。僕も歌を大切にしたいし、意味のあるものにしたいので、(今は)みなさんと握手をしたり、いろんな話をしたほうがいいのかなと思っています」と触れ合いの心を大切にした。

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